アジア版NATOは同盟ではなく傀儡。対米従属と中国敵視で日本は自滅する

 

日米韓は「気候危機」への対策も協調するが、これも頓珍漢。気候危機は起きていない。気候は通常の循環変動をしているだけで危機になっていない。人為の排出が気候に悪影響を与えている証拠もない。米英の学者が作ったインチキなシミュレーションモデルだけが根拠だ。

米国側はインチキな気候危機を軽信して石油ガスの利権を手放し、その利権が非米側に移転している。自然エネルギーは非効率で使い物にならないのに、それも米国側で無視されている。

気候危機のウソがバレ、やっぱり石油ガスしかないねという話になるころ、米国側は利権を持たない貧しい国々になっている。これが「地球温暖化問題」の本質だ。非米側は勝ち組なので、温暖化対策をやると言いつつやっていない。日韓は、対米従属に固執したばかりに自滅させられている。

歪曲が軽信され続ける地球温暖化人為説
温暖化対策で非米化の加速

米国覇権の衰退は日韓政府も知っている。とくに韓国の尹錫悦大統領は、米国の衰退に備えて日本との安保関係を強化することに積極的で、昨年5月に就任後、嫌日的な韓国民に反対されつつ、安保や「戦争責任問題」などで日本との和解を進めてきた。

米国自身、以前から、極東での軍事負担を減らすため日韓を和解させて安保協定を結ばせようとしてきた。だがこれまで日韓とくに日本は、対米従属を恒久化したいので、米国を撤退させてしまう日韓和解を嫌がり、日韓対立を温存してきた。

それが今回は、尹錫悦の日韓接近策に、バイデン米政権の中国敵視策が乗っかって、米日韓の結束で中国(非米側)に対抗する図式の今回のサミットになった。バイデンには、中国に強硬姿勢をとることで来年の大統領選を少しでも有利にしたい、不人気を挽回したいという思惑もある。

Camp David summit: a trilateral march toward instability?

日米韓のサミットでは、サミットや各分野の閣僚会議の定期開催など、日米韓の安保関係の「機関化」(制度化)が進められることになった。日米韓がNATOみたいな国際安保機関を形成していくという趣旨だ。

欧米のNATOはロシア敵視が目的で、日米韓の安保機関は中国敵視が目的だ。アジア太平洋地域では近年、AUKUS(米英豪)やクワッド(米豪日印)、NATO東京事務所設立(NATO拡大)構想など、NATOみたいな中国敵視の機関を作りたがる動きが続いている。今回の日米韓もその流れになる。

AUKUS, QUAD transforming alliance-like – Indian Punchline

中国敵視のアジア版NATOを作ることは、日韓豪を自滅に追い込む超愚策、もしくは中国とロシアを結束させて非米側を強化する隠れ多極主義の策だ。

NATOはウクライナで実質的にロシアと戦争している。アジア版NATOが中国と戦争することはない。すでに書いたように、台湾も南シナ海も戦争にならないからだ。だがアジア版NATOは、日韓や豪州に対し、中国への経済制裁を強要する。

日韓や豪州は、米国の言いなりにならざるを得ないので、アジア版NATOにおける機関決定の場において、米国の提案に賛成する。以前のハブ&スポークの2国間関係の体制なら、表向き米国の言いなりになりつつ実質的に動かない・のろのろ動くといった「ご無理ごもっとも」の対策が可能だった。米国はすべての同盟国に別々に発破をかけねばならず、やり切れなかった。

だが、アジア版NATOでの機関決定になると、同盟諸国間の相互監視がきつくなり、従来のハブ&スポーク時代よりはるかにマジに中国敵視をやらされるようになり、日韓豪の経済自滅がひどくなる。

Does Australia really want to be at the front line of US aggression against China?

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