きっかけは一通の手紙。小学生4000人を猛暑から救った11歳の少年の“行動”

 

10歳の小学生が、多くの子供を「地獄の苦しみ」から救った話

今年は、本当に暑かったです。『日経新聞』9月2日付。

気象庁は1日、夏(6~8月)の平均気温が平年より1.76度高く、統計を取り始めた1898年以降で最も暑い夏だったと発表した。

かわいそうなのは小学生の子供達です。まず、ランドセルが重すぎます。最近は、一人一台ノートパソコンが支給されている。それはすばらしいことですが、ノートパソコンを毎日持ち運ぶのがしんどそう。水筒も重そう。図書館の本も重そう。とにかく小学生の「重いランドセル」も解決しなければならない問題だと思います。

そして、猛暑の中通学するのは、本当に大変そうです。家の子供も、戻ってきたらクタクタでした。

さて、兵庫県たつの市の梅村凛太朗君は11歳。梅村君の家から小学校までは、2.4kmの道のりです。往復4.8km。片道30分、往復1時間の道のりです。

彼は去年の夏、35度以上の猛暑の中、5キロのランドセルを背負って小学校に通っていました。いえ、子供たちは皆、猛暑の中5キロのランドセルを背負って小学校に通っていました。梅村君は学校から家にたどり着くと、もうヘトヘトで死にそうになるのでした。

去年、夏のある日、梅村君は、おばあちゃんに言いました。

「おばあちゃん。このままじゃ、暑すぎて本当に倒れちゃうよ」

おばあちゃんは、校長先生に手紙を書くことを提案します。それを聞いた梅村君は、「だったら市長さんに手紙を書いてみるよ!」と言いました。校長先生だと、救われるのは梅村君の学校の小学生だけ。市長さんなら、市全体の子供たちが救われる可能性がでてくるからです。

梅村君は、以下のような手紙を書きました。

ぼくはたつの市内の小学5年生です。

 

毎日とても暑いです。

 

特に学校帰りの3時や4時はせなかのランドセルがすごく重く水とうやプールバックや給食袋などもありフラフラします。

 

ニュースで熱中症の話をよく聞きます。

 

ぼくも学校の帰り道汗をいっぱいかいて顔やせなかがびしょびしょで頭がぼーっとします。

 

帰るとお母さんが「おかえり」と言ってくれますが、ぼくは暑くて大きな声がでません。

 

体重計でランドセルの重さを測ってみたら約5キロりました。

 

日曜に車で学校までのきょりをしらべたら約2.4キロありました。

 

学校の帰りは特に暑いのでぼくが市長さんにしてほしいことに書いてあることをなるべく早めにお願いします。

 

  1. 工事のおっちゃんが着ている空調ベストを学校の帰りに着たいので買ってください。
  2. 顔やかたが日かげになる日がさのような大きなボウシをみんなにください。

 

令和4年7月5日

 

たつの市在住5年生

梅村君は、この手紙を「市民ポスト」に投函しました。たつの市の山本実市長は、この手紙を読みました。そして、「子供が暑いからなんとかしなければならない」と、すぐ教育委員会に連絡したそうです。しかし、去年は予算も時間もなく、子供たち皆に「冷感タオル」を配るだけで終わってしまいました。教育委員会は、「1年後には子供たちを猛暑から救ってやる!」と決意します。

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