自民党のネット工作か?政権支持率「初の30%割れ」報道に漂う強烈な違和感

 

昨年12月にすでに出ていた「25%」という最低の支持率

そこであたしは、今回、岸田内閣の支持率に関する過去の世論調査のニュースを検索して、様々な媒体で初めて30%を割り込んだ時期を確認してみました。すると、すぐにこんな記事がヒットしました。

内閣支持率、過去最低の26.3% 時事通信世論調査
2023年10月12日付

 

時事通信が6~9日に実施した10月の世論調査によると、岸田内閣の支持率は前月比1.7ポイント減の26.3%だった。今年1月の26.5%を下回り、岸田政権で過去最低を更新した。政権維持の「危険水域」とされる2割台を記録するのは3カ月連続。

この記事を読めば分かるように、時事通信の世論調査では、先月10月に、すでに過去最低の26.3%だっただけでなく、8月、9月、10月と3カ月連続で20%台だったのです。そして、さらには、初めて30%を割り込んだのは、今年1月の26.5%だったと書いています。

あたしは、いちいち各社の世論調査の数字を記録したり、媒体別の折れ線グラフを作ったりはしていません。そのため、今回のJNNの報道を見ても、既視感や違和感を覚えるだけで、「どこそこの調査では何月に30%を割り込んでいたぞ!」という脊髄反射のツッコミは繰り出せませんでした。

でも、毎月の世論調査の結果は媒体ごとに目を通して来ましたので、「岸田内閣の支持率が30%を割り込んだ」という記事を1年くらい前から何度も目にして来た、という記憶だけはありました。それが今回の既視感や違和感につながったのですが、さらに調べてみると、今度は次の記事が見つかったのです。

岸田内閣支持率、4カ月連続30%下回る 毎日新聞世論調査
2023年10月15日付

 

10月の岸田内閣の支持率は25%で、発足以来最低だった9月16、17日実施の前回調査と同じだった。支持率が30%を下回るのは4カ月連続。

こちらも先ほどの時事通信と同じく、先月10月の調査ですが、毎日新聞では「30%を下回るのは4カ月連続」と書いています。つまり、7月、8月、9月、10月と20%台だったことになります。そして、もっと検索すると、毎日新聞の調査で30%を割り込んだ今年7月の記事が見つかりました。

内閣支持率、5カ月ぶり30%切る 岸田首相、再び正念場 毎日新聞世論調査
2023年7月23日付

 

毎日新聞は22、23の両日、全国世論調査を実施した。岸田内閣の支持率は28%で、6月17、18日実施の前回調査(33%)から5ポイント下落。2月調査(26%)以来となる20%台へと落ち込んだ。相次ぐマイナンバーのトラブルが響いた模様で、岸田文雄首相は再び正念場を迎えている。閣僚の辞任ドミノに見舞われ、岸田内閣としては支持率が最も低かった2022年12月の25%に近付いた。

この記事では、今年2月も26%だったと書いています。これが、あたしが3月のメルマガで触れた数字ですね。そして、最後の1行では、昨年2022年の12月に、すでに25%という最低の支持率が出ていると書いています。もちろんこれは、あくまでも毎日新聞という1つの媒体の調査結果であり、同じ時期でも、他の媒体の調査では30%を超えていたのでしょう。

しかし、あたしが先ほど、「あたしの記憶が確かならば」と前置きした上で、「岸田内閣の支持率が30%を割り込んで20%台になったのは、もう1年くらい前、去年の11月か12月くらいのハズ」と書いた内容は、記憶違いではなかったのです。

ネットのなかった時代なら、自宅で購読している新聞が情報の柱でしたから、購読している新聞が政権寄りかリベラルかによって、こうした世論調査の数字も違って来て、購読者はその数字を鵜呑みにしていたでしょう。しかし、今は多くの人がネットでニュースを読んでいるので、世論調査に興味がある人なら、新聞各紙、各媒体の調査結果を比較しながらチェックしていると思います。

この記事の著者・きっこさんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 自民党のネット工作か?政権支持率「初の30%割れ」報道に漂う強烈な違和感
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け