韓国の常識が崩れた。エリートスポーツでも日本に負ける理由とは?

 

1.計画は100年単位、目標は世界制覇……ハッタリに聞こえない理由

「日本はもともと水泳リレーや陸上リレーなどリレーに強いです。自分の区間で最善を尽くして、次の走者にしっかりバトンを渡すことを重視する。長期計画も空念仏ではありません。」

日本代表の競技力向上を総括する笠原健二日本オリンピック委員会(JOC)強化部長は先月17日、東京のJOC事務所で韓国日報と会い、自信を持ってこう話した。「日本はなぜ超長期目標を立てるのか」という質問に答えた。東亜日報の質問には、「委員会や協会指導部が変われば、どうせ壊れる計画を示す形で出すのではないか」という疑問があった 。日本サッカーの「100年構想」やJOCの「ビジョン2064」などが代表的だ。しかし笠原部長は断固としていた。「日本は本当に実現する強い気持ちで100年単位の計画を出した」ということだ。

実際、日本サッカーが強くなった歴史を見れば笠原部長のことばがハッタリでないことはすぐわかる。日本サッカー協会(JFA)は1993年のJリーグ発足当時、「100年以内に世界を制覇する戦力を作る」と100年構想を打ち出した。2005年には「2050年に日本でワールドカップを開催し優勝する」という「ジャパンスウェイ」(Japan’s way・日本の道)ビジョンも発表した。5年または15年単位の細部計画も準備される。当面の成績の代わりに遠い未来を見据えた根本的な解決策をまとめ、遠大な目標を達成するということだ。

日本は徐々に水準を高めている。Jリーグ研修経験のある大韓サッカー協会のパク・グァンウォン元理事は「JFAは長期計画によって若い選手が少しでも可能性を見せても海外に送る」とし「日本代表の主力を見ればほとんど海外派だが、彼らを効果的に訓練させるためにドイツにクラブハウスを作る計画もある」と伝えた。

成果もはっきりしている。昨年カタールW杯で世界最強のドイツとスペインを破り、「死の組」で生き残った。田島幸三JFA会長は16強進出に成功した後「JFA会長が変わってもジャパンスウェイはまっすぐ行かなければならない」と強調した。

日本のスポーツはリレー種目に強い。水泳のリレーや陸上のリレーでオリンピックメダルを取った経験がある。幼い頃からリレー種目をたくさん練習しているうえ、特有の「つなぐ」文化の影響もありそうだ。2016年ブラジルリオデジャネイロ五輪で、日本陸上400メートル男子リレーチームが銀メダルを取ったのには驚いた。

専門家らは、日本が超長期計画を立てることができるのは、ツナグ文化のおかげだと語る。笠原部長は「日本人は今すぐでなくても『いつかは成果が出る』という考えで計画を継続することを大切にする」として「時代が変われば細部計画は少し変わることもありうるが、共に悩んで立てたビジョン自体は変えない」と話した。1964年東京オリンピック100周年になる2064年までにスポーツを通じて個人の成長と国家の発展、世界平和に貢献するという計画を盛り込んだ「ビジョン2064」も十分な社会的議論を経て作られたものだ。

ハン・ミン文化心理学者は「日本社会は『すべての人が決まった役割を果たさなければならない』という認識が強く、直ちにお金にならなくても継続投資する」とし「ノーベル賞受賞者20人余りを輩出したのも投資と研究が150年近く蓄積された結果」と説明した。日本の中小企業の研究職職員がたびたびノーベル賞を受賞する理由も、直ちに成果がなくても研究をあきらめないツナグ文化のおかげだという評価だ。

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