韓国の常識が崩れた。エリートスポーツでも日本に負ける理由とは?

 

2.ディテールの力……「弱点のリバウンド確率を高めるために心の姿勢まで練習」

日本特有の細かさもスポーツ強国になった秘訣だ。特に、最近10年間飛躍的に成長したバスケットボールが「顕微鏡分析」のおかげを十分に受けた。日本はもともと「教科書のようなバスケットボールをする」という評価を受けていた。型にはまったプレーのせいで予測が容易だという酷評だった。

しかし、最近は変わった。韓国など相手は「日本選手が創意的に動いて阻止するのは難しい」と吐露する。東野智也日本バスケットボール協会(JBA)競技委員長は「2016年にJBAにテクニカルハウス(技術発展部)を設立し競技力が高まった」と話した。テクニカルハウスはバスケットボールワールドカップとオリンピック、アジアで開かれるすべての大会が終わる度に日本チームの競技内容を評価し、強・弱点を分析して技術報告書を作る。KBSNスポーツバスケットボールのソン・デボム解説委員は「JBA報告書を見たことがあるが、非常に具体的に補完する点を書いてあって驚いた」と話した。

実際、日本女子バスケットボール代表チームは2016年ブラジル・リオデジャネイロ五輪当時、ベスト8に進出したが、攻撃リバウンドでは弱い姿を見せた。東野委員長は「リバウンド確率を高められる位置選定法などを提示し、これを身につけるためのトレーニング方法と試合時に気を使わなければならない点、リバウンド状況で念頭に置くべき考え方まで報告書に書いた」と話した。努力は実る。2020東京オリンピックで代表チームの攻撃リバウンドが大きく向上し、銀メダルを獲得した。

3.「地域ユースチームも国家代表チームの戦略を理解しなければならない」

世界制覇を目指すため、日本には現在より未来がもっと重要だ。日本体育界はこのため、各地域のユースチームのコーチと選手たちがどのような努力をすべきかを提示する。

東野委員長は「五輪とバスケットボールワールドカップ技術報告書は、JBA指導者資格証所持者なら誰でも見ることができる」と話した。各ユースチームは個性を身につけようと努力もするが、日本に最もふさわしい戦略を理解しようと努める。

大阪郡栄女子学院バスケットボール部の安藤香織監督(46)は「日本女子バスケットボールリーグ(WJBL)などの研修を受ける際、『背の高くない日本バスケットボールが世界の強豪チームに勝つためにはスピードと得点効率を高めることが重要だ』と強調する」と話した。実際、幼少年の指導者たちはこのような助言を訓練の時に適用する。

サッカーなど他の種目も同じだ。JFAは47都道府県部(韓国の広域市・道の概念)に担当インストラクターを配置し、これらを通じて地域コーチに戦術別訓練方式などを伝える。

若い選手たちが「最高になりたい」という気持ちを持つように動機づけもする。日本文部科学省の東京オリンピックプロジェクトに参加した筑波大学体育科の洪性燦(ホン・ソンチャン、47)教授は、「日本では種目別有望株を休みの時に集め、東京のナショナルトレーニングセンター(NTC・国立選手村)で合宿訓練を受けさせる」とし「成人スター級選手もわざと同じ場所で訓練を受けるようにしているが憧れてきた選手がすぐそばで練習するのを見ると刺激を受ける」と話した。

学生選手が勉強を怠らないようにすることにも気を使う。日本国立スポーツ科学センター(JISS)の久留武所長は「6種目の最精鋭幼少年選手30人がNTCでよく訓練をしているが、彼らが近隣の中学校や高校に通うことができるようにする」とし「国立施設で訓練しながら勉強も並行できるので大学もよく進学する」と話した。

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