カカクコム、食べログ、クックパッドを成功させた男・穐田誉輝の「経営哲学」とは?

 

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

穐田誉輝はカカクコムを上場させた2003年から20年もかからずに、3つの会社を上場させて、いずれも価値を高めた。その他、大株主として3社を上場させている。すべての会社の最盛期の時価総額を合わせると1兆円以上になる

社会人になっても彼は買い物を楽しんだ。会社への投資も買い物だ。だから、徹底的に調べる。数字だけでなく、経営者に面接して、どういう目的で会社をつくって経営しているのかを聞く。どれほど成長を望める企業であっても、目的が金という人間の会社は買わない。客のことを考えている人間かどうかを確かめ、ユーザーファーストの経営者であれば援助を惜しまない

穐田はインターネットをコストを低下させるためだけに使ったのではなく、草の根の一人ひとりの声を瞬時に集める効用に目を付けたのである

結局のところ、中古車買い取りビジネスのポイントは仕入れだ(中略)そして、穐田はこの仕入れの部分にインターネットを持ち込んだ

日本には起業人材、経営人材が少ないと言われる。そのための教育機関やシステムがないとも言われる。しかし、起業、経営は教師から教わったり、教科書から学んだりすることではない。現状のシステムに乗っかることでもない。逆に、現状とそのシステムを否定することから始まる

穐田氏のルール
1.ユーザーの声をサービスにつなげる
2.ユーザーのコミュニティを育てる
3.子どもたちの貴重な時間とお金を奪うゲームビジネスはやらない
4.商品設計では完璧を目指すのではなく、無限を追求する
5.組織は大きくしない。小回りの利く組織をいくつもつくる

対象を料理というジャンルだけに絞ってしまったら、社員たちの想像力に規制をかけることになる。料理の種類を増やしたり、プロのレシピを紹介するようにしたりとサービスの幅を広げることはできるが、それは誰でも考えそうなことだ、誰でも考えそうなことを実現したからといって、それはビジネスにはならない。それよりも、家計簿、育児、結婚といった料理と関係する分野へサービスを広げていくことがクックパッドの成長につながると穐田は思った

買うか買わないか迷ったら買わない
言うか言わないか迷ったら言わない
やるかやらないか迷ったらやる
(カカクコム時代に決めた言行の3原則)

昔なら、決して表に出なかった、影の立役者の話が読めるのは、令和ならではの喜び。

経営においていかに「基本」が重要なのか、よくわかる内容です。

ぜひ、読んでみてください。

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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