「人生150年」すでに射程、マウス実験では寿命10倍化
永遠に生きられるかどうかは別として、普通に寿命は延ばせるのでしょうか。
『LIFE SPAN』のシンクレア教授によれば、医療の進歩によって10年、食事や運動などの改善によって5年、長寿遺伝子活性化によって8年、遺伝子治療や3Dプリンタによる臓器移植の実現により10年、合計33年は延ばせるとのことです。
さらに科学技術が想像を超える速さで進歩していることから、150歳は手の届く年齢になっている可能性があるとしています。
普通のネズミは3~4年で死にますが、その10倍のなんと40年も生きるネズミがいます。
それがハダカデバネズミで、心血管疾患や癌などにもほとんど罹りません。
なにが他のネズミと違うのか調べたところ、ハダカデバネズミは高分子ヒアルロン酸が多く(他のネズミの10倍)、細胞から高分子ヒアルロン酸を取り除いたところ、癌のリスクが上昇することがわかっています。
そこでロチェスター大学のチームがヒアルロン酸合成遺伝子を普通のマウスに移植したところ、高分子ヒアルロン酸レベルが増え、平均4.4%長生きし、癌発生率や炎症が低下し、腸のバリア機能が改善しました。(※1)
このチームは既にヒアルロン酸分解を遅らせる分子を特定しており、ヒトへの応用のため前臨床試験でテストをしているところです。
消える「限られた時間だからこそ精一杯生きる」という考え方
健康寿命は延ばせるが、最大寿命は120歳ほどで、それ以上は延ばせない。
そう主張する研究者もいます。
しかしアンチエイジングが本格的に研究されはじめたのはごく最近のことで、Internet Explorerが登場したのが1995年でまだ30年も経っていないことを考えると、革新的な進歩が今後なされるであろうことは充分に期待できます。
現在75歳の人がアンチエイジングを頑張ったとして、150歳まで生きられるかどうかは75年経ってみないとわかりませんが、現在から75年先だとすると意識のアップロードやコールドスリープが実現している可能性も大いに考えられます。
さて、そのようなときに、私たちはどう生きるのか。
限られた時間だからこそ、精一杯生きる。
そんな考え方はなくなります。
しかし逆に余裕を持って人生を送ることができるようにもなります。
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