漁業関係者は、「町の誰もが知っている。もっと前から他にもやっている奴はいる」と証言しています。
つまり、やっていたのは一部の人だったとしても、漁船・業者・旅館が手を組んでいたことと、みんなが知っているという意味では、“町ぐるみ”の犯行だと言えます。
市長や漁協の人間が、「二度とこのようなことが……」と表明したところで、時すでに遅し。
消費者の信頼は失われ、ブランドは消滅してしまうのではないでしょうか。
1社の犯行ではなく、産地そのものが産地偽装したのですから、ブランドの立て直しは不可能だと思います。
このニュースに触れて、もうひとつ私が気になったのは、ブランドの価値そのもののこと。
逮捕された業者は、「他の産地のカニと味の違いなんて、わかるわけがないと思った」と供述しています。
また、他の漁業関係者や料理人曰く、「味の違いはわからない」。
つまり、普通のカニと「間人ガニ」の味に差はないということです。
大きさや見ために違いはあれど、味は同じなのです。
ならば、4倍もの金額を払う意味があるのでしょうか。
ブランドとはそういうものなのかもしれませんが、モノの価値を見直す必要があるのではないでしょうか。
しかし、ブランドを有難がる消費者の幻想がある限り、産地偽装はなくならないのです。
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