中国、ロシア、北、イラン。戦時協力を高める“戦争の枢軸”が狙う「国際秩序の破壊」と新しい統治の形成

 

「相手に止めを刺すのは自国」の信念が強いイスラエルとイラン

そのロシアは、アジアサイドの攪乱のために、北朝鮮に対して核兵器開発の指南をし、外交的なチャンネルもフルに活用して北朝鮮の時間稼ぎに手を貸していますし、中国とは(北朝鮮の核開発には難色を示しつつも黙認)互いの背中を守り合う態勢で、中国による南シナ海方面と太平洋方面での強硬な動きを後ろからサポートして、アジア太平洋(インド太平洋)地域における緊張の高まりを促進させる働きをしているようです。

そして中東地域においては、イランを先頭に立て、イスラエルとの緊張関係を煽りつつも、レッドラインを越えないように細心の注意を払ってイラン政府に忠告しつつ、中国は経済面を、ロシアは軍事面をサポートする形で強力な抵抗体制を支えています。

イスラエルとイランの緊張については、お互いにミサイルを報復攻撃の形式で打ち合ったことで、現時点では手打ちしていますが、イランには親イランの抵抗組織の集合体である抵抗の枢軸(Axis of Resistance)(シリア、レバノン、ヒズボラ、フーシ派など)を通じた間接的なイスラエルへの攻撃をいつでも加えられるという脅威をちらつかせることで、イスラエル軍のフォーカスを分散させ、イスラエルを支援するアメリカ軍と英国軍のフォーカスも分散させています。

イスラエルもイランも互いに“相手に止めを刺すのは自国でないといけない”という信念が強く、緊張が高まり沸点を超えると我慢(自制)の箍が外れる可能性があります――(メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』2024年4月26日号より一部抜粋。続きをお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録下さい)

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