榎本さんは本書で「純粋意欲と恋愛は似ている」と述べていますが、私もライフワークと恋愛はとても似ていると考えています。なぜなら、どちらも「好き」という気持ちをベースにしているからです。
多くの人が、一度は「一緒にいるだけで幸せ」「この人に全てを捧げたい」と思うような恋をした経験があると思います。そのときのあなたにとって、彼/彼女は他の人とは明らかに異なる魅力的な人だったことでしょう。でも、みんながその人のことを同じように好きになるかというと、そうでもありません。
自分にとっては目が合うだけでドキドキしてしまうような魅力的な人も、他の人にとっては普通の人、というのはよくあります。つまり、どんな理由も「自分にとっては」であり、本書の表現を借りるならば、最終的には「好きだから好きなんだ」と思います。それをとてもうまく表現したなと思うのが、コカコーラのCMで使われていた「No Reason」というキャッチコピーです。
誰を好きになるか、人によって異なるからこそ世界は成り立ちます。それは、ライフワークでも同じです。あなたがもし何かに強く心を惹かれるのであれば、それはあなたを他の人と同じではない、世界に一人だけの存在になることができます。好きに理由はいりません。ぜひ、あなたの「好き」「ワクワク」を追いかけてください。
本書は、そもそも仕事とは何かというところから始まり、自分がこの世に存在する意義は何か、どうやって純粋意欲を見つけて天職を創造するのか、などライフワークを見つけて形にする上で指針となる視点や考え方が、体系的にまとめられています。
ライフワークを生きたい人、特にライフワークを仕事にしてちゃんと生活を成り立たせたい人はぜひ読んでみてください。
『本当の仕事 自分に嘘をつかない生き方・働き方』
榎本 英剛 (著)
出版: 日本能率協会マネジメントセンター
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