警察が「チャリテロ」と呼ぶ、自転車を使った当たり屋への対策

 

吉田:チャリテロに対するテロ対策は1つしかないです。ドライブレコーダーを全車両に装着することです。

Tさん:でも……クルマなら問題ないと思いますがバイクにも……ですか?

吉田はい。バイクにもドライブレコーダーを装着しているライダーは増えてきています。まぁ、正確にはドライブレコーダーではなくて、クリップオンが可能な1,000円~3,000円程度で売られている小型のビデオカメラなんですけどね。バイクを始動させるたびにバイクのスクリーン箇所や、ハンドル箇所などに自分自身で取り付けて運転するという感じなんです。

Tさん:なるほど。USB給電で動かせるタイプの小型ビデオカメラは今ですと沢山の種類が売られてますからね。皆さん賢いですね。このタイプでしたら取り外しも簡単ですし、バイクを動かす時に装着すればいいだけですから何かのためにも1個所有していてもいいかもしれません。

吉田ドライブレコーダーさえあればチャリテロしてくる自転車に勝てる可能性が生まれるんですね。飛び出してきた自転車に接触してもクルマやバイク側がどんなに安全運転していても過失の割合が高くなってしまい加害者扱いになります。日本の法律が狂っていておかしいことは十分承知の上ですが、しかし、ドライブレコーダーでその接触状況さえ録画できていれば、裁判まで持っていった場合に過失割合が大きく変わったりして逆転劇が生まれる可能性が高いんです。

Tさん:そういえば最近は交通事故で揉めた場合、裁判まで行くとドライブレコーダーが証拠の要になると弁護士に伺ったことがあります。こういうケースですと水掛け論に発展してしまい、飛び出してきた自転車側は少しでも過失割合を減らすた
め、自分自身を守る供述をしますよね。つまり、真実を語らないわけですが、そこでドライブレコーダーの映像を裁判長が見て判断する事案が増えてきているそうですよ。

吉田:Tさんが知っている範囲でいいんですけども、ドライブレコーダーが活躍して解決に至った事故事案というのはありますか?

Tさん:そんなに多くないですけど1つだけあります。水掛け論になってしまい、物損事故から途中で人身事故へ切り替えて解決まで3年ぐらいかかったクルマと自転車の接触事故がとても印象的でしたね。具体的に説明しますと、主要幹線道路にクルマが停車していて、自転車が車道を走っていたところ、そのクルマを右側へ避けて走行車線へはみ出した瞬間にワゴン車と接触。

吉田:今でも良くある接触事故のパターンですね。

Tさん:まず自転車側がワゴン車の運転手に対して被害者目線で自分自身の自転車の後ろへ追突されたことを訴えましたワゴン車の運転手は目視で後ろを確認せずにこちらが走っている車線へ停車しているクルマを避けながらはみ出してきた」と供述しました。自転車側からはさらに「こんなところに止まっているクルマが一番いけない」と事故の責任を停車中のクルマへもなすりつけます。ただし、停車中のクルマは駐車禁止場所ではありますが、停車禁止の場所ではなかったのでこれではただの巻き添え事故みたいになってしまいます。果たして誰が一番いけないでしょうか? 吉田さんならスグお分かりになると思いますが(笑)。

print
いま読まれてます

  • 警察が「チャリテロ」と呼ぶ、自転車を使った当たり屋への対策
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け