【国債暴落】日本の国債がイスラエルの格付け並に!下がれば2倍上昇?

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日本の国債が先週、おせっかいなMoody’sが格付けを1ランク下げ、上から4位の「Aa3」から5位の「A1」にしたから、常時戦争状態のイスラエルやアラビア半島の先端のオマーンと同格になった。

単に民間の格付け会社にすぎないMoody’sは、AAA格を少々組み入れただけのサブプライムローン債券をA格だとレッテル貼ったから世界に蔓延し、その結果は世界を激震させた淵源を造った。その十年以上前にこのお節介会社が日本国債の格付けを下げた際に世間は騒いだが、時の首相宮沢さんは「私は意に介さない」と応じた。さすがに(パワーはなかったが)経済のことは見通していた宮沢さんは聡明だった。

安倍さんも誰かブレーンが言ったのだろうか、国債の格下げに対しての発言は聡明だった。「格下げによる長期金利には影響ない」と強調し、「日本の経済に対して外国の信認は高いと思う」と述べた。経済同友会の長谷川代表幹事は「日本国債の格上げに対して一喜一憂する必要はない」と述べたと言う。両者ともこの対応が正しかったろう。

思い出すのは2011年、菅首相時代の国債格下げの時だった。「そういう問題には私は疎いので……」と言ったので皆は呆れた。自社の社債について聞かれた社長が「私は疎いので……」とやったら株主総会は乗り切れない。菅氏は社長でなく首相だったのでクビにはならなかったが嘲笑は買った。しかも本人はその嘲笑を気づかなかったからオオモノだった。

国債が格下げされるとリスクの掛け目が上がるため大量に持っている銀行が売りに出すというケースがある。ところが自国通貨で自国の国債を持っている場合は、リスク掛け目は動かない。故に国内銀行が国債を投げてくると言うケースはない。

ところで、「国債が格下げされると株は上がる」というジンクスがある。事実はこうである。12月3日の日経新聞18頁の左側にグラフが載っている。97年以降、格下げが6回あったが4回は日経平均が上がった。今回が4回目である。格上げが3回あったが、2回は株は下がった。「財政悪化や改善の面を分かっていても敢えて見ないことにしている」のかもしれない

思えばギリシャ危機のころ「豚ども:PIIGs」(ポルトガル・イタリア・アイルランド・ギリシャ・スペイン)と別称された欧州金融危機の頃から、私事に亘るが筆者は「危機に好機あり」で(本気で買う量ではなかったが)ギリシャ国債を買って短期間に5割の値幅を取って売ったし、スペイン国債を買って3割儲けて喜んで利確売りしたら後に2倍強にになった。

具体的にはこうだった。

昨年1月、スペイン国債を23.9ユーロで買った。円ユーロ相場は115.2(ユーロ/円)だった。

23.9ユーロ×115.2(ユーロ/円)×1万=2753万円

筆者はこれを3割取って利食いしたが、今まで持てば今日売れる所は2.2倍になっている。

40.45ユーロ×147.8(ユーロ/円)×1万≒6000万円となるから1年10カ月で約2.2倍になったことになる。

「危機にこそ好機あり」だったのだ。

昨年1月、スペイン国債を23.9ユーロで買った。円ユーロ相場は115.2(ユーロ/円)だった。

23.9ユーロ×115.2(ユーロ/円)×1万=2753万円

筆者はこれを3割取って利食いしたが、今まで持てば今日売れる所は2.2倍になっている。

40.45ユーロ×147.8(ユーロ/円)×1万≒6000万円となるから1年10カ月で約2.2倍になったことになる。

「危機にこそ好機あり」だったのだ。

 

『山崎和邦の投機の流儀』
著者:山崎和邦
野村證券、三井ホームエンジニアリング社長を経て、武蔵野学院大学名誉教授に就任。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は投資歴51年の現職の投資家。著書に「投機学入門ー不滅の相場常勝哲学」(講談社文庫)、「投資詐欺」(同)、「株で4倍儲ける本」(中経出版)等。山崎和邦 週報『投機の流儀』では経済動向を解説。
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