オーストラリアは、アメリカ支持
オーストラリアのペイン国防相も「国際法に基づき自由に航行する権利を支持する」との声明を発表した。
(同上)
首相がかわって心配だったオーストラリア。
しかし、アメリカ支持を明言しています。
フィリピン以外の東南アジア諸国は、アメリカを支持せず
しかし、大半の東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国にとって、最大の貿易国である中国との対立は避けたいのが本音だ。
中国から多額の経済援助を受けるカンボジアやラオスは「親中派」とされる。
タイも昨年のクーデター後、軍事政権に理解を示す中国と親密だ。
カンボジアの外交官は「我々はASEANと中国の対話による平和的解決を望んでいる」と語り、米国の介入に否定的な反応を示した。
中国との領有権問題を抱えるベトナムは、フィリピンとの間で両国関係を「戦略的パートナー」に格上げすることで合意し、「対中国シフト」を鮮明化させている。
一方でフン・クアン・タイン国防相が「米中両国とも我が国には重要だ」と話すなど、米国支持を明確にもしていない。
27日夜現在、今回の作戦にも公式のコメントは出していない。
(同上)
ベトナムも、「中立」なのですね。
まとめ
以上、「航行の自由」作戦に対する各国の反応を見てきました。
まとめると、
・アメリカを支持 = 日本、オーストラリア、フィリピン
・中立 = 韓国、台湾、(フィリピン以外の)東南アジア諸国
・無関心 = 欧州諸国、ロシア
こう見ると、アメリカ支持は、日本、オーストラリア、フィリピンだけ。
なんともさびしいかぎりです。
しかし、アメリカが「中国打倒」を決意したのは、「AIIB事件」があった今年3月。
まだ半年しか経っていません。
それに、「航行の自由」作戦は、大戦略の「一環」です。
中国のような巨大な敵を倒すには、「トータルな戦略」が求められます。
これからも、
・情報戦 - 人権問題、サイバーテロ問題などで、中国を「悪魔化」する
・情報経済戦 - 中国経済崩壊論を拡散する
・経済戦 - 経済制裁の発動、人民元レート自由化圧力
・民主化運動支援 - 香港、台湾、チベット、新疆ウイグルなどの反中共勢力を支援する
などなどを通して、徐々に中国を追いつめていくことでしょう。
中国の真の姿は、孫子の教えを守って如才なく野心を隠し、アメリカのアキレス腱を射抜く最善の方法を探しつづける極めて聡明な敵だ。
我々は早急に強い行動を取らなければならない。
(ウールジー元CIA長官)
いずれにしても、世界は「米中覇権争奪戦」を軸に回りはじめました。
日本も、そろそろ70年の「平和ボケ」から目覚める時期がきています。
※この記事は『ロシア政治経済ジャーナル』2015/10/29号より抜粋しています。
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『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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