またも人災。中国の重大事故は「付け焼き刃」的な政策が原因か?

 

習近平時代になると、スターリン主義や毛沢東主義に憧れ、中国の伝統文化である贈収賄にメスを入れる「虎もハエも同時にたたく」という反腐敗キャンペーンを展開しました。そして、贈収賄によって私服を肥やすことができなくなった官僚たちは、一気にやる気をなくし、サボタージュするようになったのです。

そのため、胡錦濤時代に比べると、行政指導がかなり低下しているというもっぱらの評判で、深センの土砂崩れも、中国の政治闘争の後遺症のひとつだと指摘されています。

習近平は、胡錦濤時代に上海閥などの長老たちに牽制され、若い時は何もできませんでした。その教訓に鑑みて、自己流の権力を強化するにはネットをはじめとする言論規制をする一方で、ライバルを追放して権力を自身にどんどん集中させていきました。ナンバー2の李克強にさえ、経済政策をやらせずに、自分1人ですべてを行おうとしました。

しかし、それは権力集中と同時に、国家破綻の道でもあります。それが中国という国の定めなのです。毛沢東は自らの政策を断行するために、文革で自滅しました。

習近平は、「中華民族の偉大なる復興への夢」をかかげ、海洋強国を国策として猪突猛進していますが、21世紀はすでに「中国が決める」時代ではありません。力ではなく「法」のルールを守れという普遍的価値を、世界が共有する傾向があります。

中国の経済力の後退は、すでにはっきりしています。習近平の暴走によるツケは、これからも次々と表面化してくるでしょう。それは、大気汚染や土砂崩れレベルではない、もっと何か大きなもの。それは黄泉の国へと続く道かもしれません。

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黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』より一部抜粋

著者/黄文雄
台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる!
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