それでは上七軒歌舞練場の北野をどりにご案内します。
歌舞練場とは舞妓さんや芸妓さんが演舞を披露する劇場のことです。北野をどりの会場である上七軒歌舞練場は北野天満宮の門前に栄えた花街にあり、明治30年代の建築とされています。赤い提灯が揺れる雅な雰囲気の建物はとても京都らしい風情を感じます。来ているお客さんは贔屓筋や日頃花街に通う旦那衆など華やかな大人の方達が多く少し身が引き締まる感じです。
お茶券付きのチケットで入るとまず2階のお茶席に案内されます。ここで舞妓さんがお茶のお点前を披露してくれます。運よく最前列に座れたら、舞妓さんがお抹茶を運んできてくれることになります。間近で見る舞妓さんはとても美しくお茶の味を忘れてしまうほどです。作法は先にお菓子を頂いてからお茶が運ばれてくるのを待ちます。お菓子は北野の老舗「老松」の饅頭で、お皿は記念品として持ち帰ることができます。非売品の器なので嬉しいお土産です。近くで見る舞妓さんの帯や着物、帯どめや簪などの衣装や部屋のしつらえなど見るべきものが沢山あります。
お茶を頂き少しすると、いよいよ開演です。会場へは美しい日本庭園の庭を見ながら渡り廊下を進みます。このプロローグの時間がムードが高まっていく瞬間で何ともテンションが上がっていきます。
演目は二部に分かれています。第一部は舞踊劇で北野をどりの特徴でもあります。ストーリー性に富んだわかりやすい舞台です。約45分間の一幕目の後は約10分の休憩があります。
第二部は芸舞妓の素踊りや祝舞など花柳界ならではの舞台です。幕が上がると場内からはドッと歓声が上がるほどまぶしい桜のセットと華やかな舞妓さんの衣装に釘づけとなります。初々しい舞妓さん、艶やかな芸妓さんの舞をたっぷりと堪能することが出来ます。
そして北野をどりで大人気なのが大トリのフィナーレ上七軒夜曲(やきょく)です。上七軒夜曲は毎年恒例の舞で揃いの黒裾引姿の芸妓と、色とりどりの華やかな衣装の舞妓が全員揃う豪華な演出です。最後は花吹雪が舞い、最後まで目が離せない演出に大満足することでしょう。約1時間20分はあっと言う間に過ぎ興奮冷めやらない状態で幕が下ります。