仕事が速い人はいかに手を抜くかを考えるが、遅い人はつねに全力投球
仕事が速い人は「手の抜きどころ」「流していいところ」をわきまえている。
というと当たり前すぎる話なのだが、それは「この仕事で結果を出すには、どこが重要か」を押さえるということだ。
だから、普段は遊んでいるように見えても、「ここが決めポイント」と思えば猛烈にダッシュする。
大事な局面ではテキパキ指示を出すが、それが終わればのんびりしている。
なぜそれがわかるかというと、つねに仕事の全体像を把握しているからだ。
全体像というのは、どのタイミングでどういうタスクが発生し、どのタイミングで何を決めるべきかということだけではなく、チームや取引先の各人の仕事のスピードや得意不得意なども含まれる。
そして全体を俯瞰したうえで、「ここの判断が後工程を決める」「ここを乗り越えればあとはラク」「これはさほど影響を与えない」などを判断しているのだ。
しかし、仕事が遅い人は、どこが重要でどこが重要でないか、あまり考えていない。
完璧主義な人もこういう傾向があり、たとえば文書であればフォントサイズやレイアウトなど、些末なことにまで全力投球する。
それで自分は満足・納得するのだが、相手や他人が特に喜ぶことはない。
つまり自己満足的な作業であって、付加価値のある作業ではないものにエネルギーをかけているということ。
もちろん、自分が新人などペーペーのときなど、すべてに全力投球をしたほうが良い場面もある。
しかし評価する人が特に気にしない部分まで力を注ぐのは非効率だろう。
力の抜きどころを考えない完璧主義の人は、手間暇はかかるにもかかわらず、成果はそれなりということが起こりやすい。
これは仕事のみならず、プライベートでも同じことが起こる。家事は必要だが、ちょっとくらい掃除をサボっても特に困らないだろう。
家事育児だけで1日が過ぎてしまうより、自分のことをやったほうが楽しいはずだ。
旅行に行ってもぎゅうぎゅうに予定を詰め込んでぐったりするより、疲れたから予定を変更して休憩しようというくらいおおらかなほうが楽しいだろう。
これもやはり、「目的」を意識し、「こうすれば楽しい」「こうすれば満足する」というポイントを把握しておくことだ。そうすれば、同じ成果でストレスも最小限になる。