奈良時代以前、母の発音は「パパ」だった? 面白い発音の話

 

さてこの音、簡単なんですが、両方きちんと閉じるのは結構労力が必要です。面倒な音と言えば面倒です。こういう面倒なことは徐々にきちんとされなくなることが起こります。

ヨーローッパの言語は互いに親戚関係にあると考えられていまして、良く似た言葉がありますが、例えば「お父さん」という言葉は

  • ドイツ語:Vater
  • 英語:father

となります。そしてもっとさかのぼってラテン語を見ると

  • ラテン語:PATER

とされています。最初の文字に注目してください。pがvやfになってますね。vやfの音は上の歯と下唇の間から空気を流して出す音です。両唇を合わせません。面倒だから合わせなくなって、このように音が変化した…と考えられています(「唇音退化」などと呼びます)。

そして…このような変化が日本語でも起こっていたと考えられています。みなさん、50音図を見た時に、ハ行だけ「パ行」という「半濁音」と呼ばれる中途半端なのがあるのを変だなぁと思ったことありませんか?

実は奈良時代より前は「パ行」が本来だったと考えられています。

  • パ行:パ  ピ  プ ペ  ポ
  • ファ行:ファ フィ フ フェ フォ
  • ハ行:ハ  ヒ  フ ヘ  ホ

と変化していったようです。ということで…実は、「母(はは)」は昔、「パパ」と発音していたようなんです!! 「頬」は「ポポ」です(なんか可愛いですね)。

なんか面白いなぁ…と思うのですが、こんなことから、少しでもロマンを感じていただけたら嬉しいです。

image by: Shutterstock

 

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