客に「感動」をゴリ押しする、呆れた日本企業のカン違い

 

では、お客さんに感動してもらうにはどうすればよいのか? ってことを思われるかも知れませんがそれを考えるのが、真のビジネスマンでありサービスマンです。そもそも感動とはどういったときにするものなのか? 満足を超えるってどんな状況なら感じるのか? このことを知ることが最も重要です。それらは、決してリッツカールトンやディズニーランドの本から学ぶものではありません(ライバルもやっていますから結局横一線)。また、他社の成功事例を学ぶといっても、そこは詰まるところ、なぞらえたものに依存するだけです。

実は、お客様に感動して貰えるということは、一朝一夕で出来ることではありません。日々のお客様とのコミュニケーションの積み重ねであったり、お客様にとって役立つ情報を常々提供していくことが、思わぬ感動を呼ぶことになるのです。狙ったり、奇をてらったりして「感動させる」なんてことはスグに見抜かれてしまい逆に安っぽくなるだけです。

たとえば、野球やサッカー、なんでもいいですが、スポーツは筋書きの無いドラマだと言われます。そんな筋書きの無いドラマだから、心底感動したり、夢中になります。つまり、思っても見なかったところに感動がある、ってことです。

この「思ってもみなかったという所」がポイントで、日々、お客様とコミュニケーションを取り続けるからこそ、この筋書きの無いドラマを演出する、思っても見なかった、をさりげなく演出することができる、ということです。

たとえば…、何気に月に数回通っている居酒屋のお客さんがいたしとします。「そろそろ顔は覚えてもらったかなぁ~」程度に思っていたら、ある日突然、急に「○○さん、今日はお早いんですね」と名前を言ってもらえる、とか。そんなさり気ないところに感動があったりするもんなんです(すいません、安直過ぎる例え話で)。

要は、無理に何かを付け加えてとか、感動して貰うために新しいことを始めようとかせずとも感動してもらえたり、満足を超えてもらう場面はある、ということです。そのことすらきちんと理解できていないのに感動を与えるとか、感動を売りに…なんてことをやっても無駄なのです。

普段の現場のなかで、あなたが、目の前にいるお客様とコミュニケーションをきちんと取りさり気なく気配り・心配りをするということです。そういったことを常々取り組むからこそ、いざイベントをしたりキャンペーンをしたりすると喜んでもらえるものなのです。

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