あなたに「あれしろ」、「これしろ」、「ここはこうだろう」、「あっちはこれだ」って指図する人が多ければ多いほど、あなたのもらえるおカネは安くなるのです。逆に、他者に向かって、「あれして」、「こうやって」、「こっちが先だよ」、「次はここに行って」と指示する機会が多いのなら、あなたのもらえるおカネはジャンジャン高くなるのです。これがこの世界の法則なんですから。
それが分かると、あなたも指示される人じゃなくて、指示する人になりたいって思いますよね。だって命令された上に、もらえるおカネが少ないって、それで喜ぶのはどんだけマゾなんだって話ですから。
将来そんな人になりたいと思うのなら、まずやるべきことは、何かの仕組みを作ってみるということです。仕組みとはカラクリ箱であり、函数(今じゃ関数って言いますけど)でもあり、メカニズムでもあるんです。つまり、何かを入力したら、入力したものがどこかをグルグル回っているウチに、姿形を変えて、出口にポッと出て来たら全く違うものになっていました、というものの総称です。
大袈裟な話じゃなくて、例えば以前私の派遣時代のことを書いたんですが(「願望実現に補助線を引こう」)、たかがコピー機に紙を補充する、これを切らさないようにするという仕事だって、仕組みを考えればラクにそしてエラー無く出来るようになるんです。
私の場合には、まずは記録を取ってどのコピー機が紙切れをしやすいかを調べて、そこには多めに在庫するようにしたんです。さらにそこから、消費量の多い部門と、よく使われるコピー機の設置場所を理解して、それぞれのコピー機に優先順位を仮説として付けてみたんです。それを繰り返すうちに、精度が上がって、よく使われるマシンは毎日1回、そこそこ使われるところは2日に1回、そうでないところは3日に1回パトロールするようにしたんです。これに月曜日の朝というヘビーユーズのタイミングを考慮したらほとんど紙切れが起こらなくなったんです。
これ全部が仕組みですから。
それを文書に残しておけば、次に来た人に同じ品質の仕事を引き継げますよね。でも引き継いだ人って、私に指示されているのと同じですよ。ほら、これだけで私は指示される人間から、指示する人間に変われたでしょ。
ホントにこんなことの繰り返しだけで、年収って上がっていくんですから人生ってラクなものですよね。
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