鎌倉図書館のツイートで注目、「子どもの自殺」は減らせるのか

2015.09.10
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by NozomiK
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夏休みが明けて2学期が始まる9月1日は、子どもの自殺が最も多い日ということがデータからわかっています。そういった自殺を食い止めるための法律があるのをご存じですか? それはどんな法律なのか、メルマガ『知らなきゃ損する面白法律講座』でわかりやすく紹介しています。

新学期初日の自殺に懸念が広がる

内閣府の分析によると、夏休み明けの9月1日は年間を通じて子どもの自殺が最も多い日で、文部科学省と各教育委員会などは、学校現場に注意を呼びかけています。

内閣府が今年6月に取りまとめた2015年版「自殺対策白書」によれば、2013年までの42年間の18歳以下の自殺者を日付別に整理すると、9月1日が131人と最も多く、自殺が長期休暇明けに多発していることが判明しています。

文部科学省は8月4日に、各都道府県の教育委員会に対し、子どもの自殺について注意を促す通知を行っています。
今回は、自殺への対策をめぐる法律について見てみたいと思います。

自殺対策の基本理念を定め、国、地方公共団体、事業主、国民のそれぞれの責務を明らかにするとともに、自殺対策を総合的に推進して、自殺防止を図り、あわせて自殺者の親族等に対する支援の充実を図り、国民が健康で生きがいを持って暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的として定められた法律が自殺対策基本法です。2006年に制定されています。

その成立の背景には、制定当時日本における年間自殺者数が8年連続で3万人を上回っていたこと、自殺未遂者は30万人を超えていたと考えられること(自殺未遂者の数は自殺者の10倍以上あると言われています)、といった状況がありました。

自殺対策基本法では、自殺はその背景には社会的要因があるため社会的な取り組みとして実施しなければならないこと(法2条)等を基本理念として掲げ、国に自殺対策の総合的策定及び実施を、地方公共団体に国と協力しつつ地域の状況に応じた施策の策定及び実施を、事業主に雇用する労働者の心の健康を保持するよう措置を講じること、を求めています(法3条~5条)。

さらに、自殺未遂者に対する支援(法17条)や自殺者の親族等に対する支援(法18条)についても定めています。

この法律制定後、各地方公共団体においても急速に対策が進められ、相談窓口が設置されたり、「ゲートキーパー研修」という自殺の危険を示すサインに気づいて適切な対応を図ることができる人々の養成に取り組んだりと、さまざまな取り組みを行っています。

景気の回復と相まって、これらの施策が効を奏したのか、2012年には15年ぶりに自殺者数が3万人を下回っています。しかし、子どもの自殺者数はいぜん300人を超えており、高い水準にあります。

子どもの自殺は遺書などを残すことがあまり多くなく、まわりが気づきにくいといった傾向があると言われています。

そのような中で、8月下旬に鎌倉市図書館からツイッター上で「もうすぐ二学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。」「9月から学校へ行くくらいなら死んじゃおうと思ったら、逃げ場所に図書館も思い出してね。」といったメッセージが発信され、大きな反響を呼びました。

この記事を読んでいる方で、どうしても学校に行きたくない、行くのが辛いと悩まれている方は、鎌倉市図書館のツイートを思い出してください。

家族に悩みを話しづらいと悩んでいるのであれば、文部科学省の「24時間こどもSOSダイヤル」や全国に「いのちの電話」という相談窓口があります。

「いのちの電話」は電話相談だけでなく、メールでの相談も可能となっていますので、一人で抱え込むことなく、ぜひご利用していただければと思います。

image by:Shutterstock

 

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