精神障害者は悩んでいる。会社のみんなで彼らをサポートする方法

 

所長 「近年増加している精神障害、発達障害のある人たちの雇用を安定させるポイントの一つは『職場において同僚や上司がその人の障害特性について理解し、共に働く上での配慮があること』ってことだけど、企業で働く一般の従業員が障害等に関する基礎的な知識や情報を得る機会はそう多くはないだろう。だから、各都道府県の労働局・ハローワークでは、一般の企業の従業員を主な対象に、精神障害発達障害に関して正しく理解し職場における応援者、つまりしごとサポーターとなるための講座を開始することとしたってわけだ」

大塚 「そのしごとサポーター、2万人養成ということだけど、2万人とだけ聞くととてつもない人数に思いますね」

E子 「でも、障害者雇用促進法で、障害者雇用が義務づけされている『従業員50人以上』の企業は全国に約9万社あるそうよ」

大塚 「じゃあ、単純計算では、4、5社のうち1社がサポーター養成講座に行ってくれれば2万人は達成できる人数ってわけですね」

深田GL「確かに! でも、多くの障害者を抱えている企業では1名サポーターがいるだけでは、とても支援しきれないし、複数人がしごとサポーターとして選定され講習を受けることになるだろうね」

E子 「そうね。うちの事務所でも所長だけでなく、何人か行きましょうよ」

所長 「そうだね。日程が合う人は行ってほしいね。ところで、障害者雇用実態調査による精神障害者の平均勤務年数は約4年だそうだよ」

新米 「4年ですか~。長いのか短いのか…ですね」

大塚 「七五三現象でいうと、3年って一つの節目だもんね」

所長 「それに対して、身体障害者の平均勤務年数は約10年だ」

新米 「へ~、わりと長いんですね」

E子 「比較すると、精神障害の人の方が職場の定着率が低いってことよね」

深田GL「退職理由は、『職場の人間関係が最も多いらしいな」

所長 「だからこそ、こうした状況を受け、『職場の同僚がその人の障害特性について理解し、共に働く上での配慮をしていくことが重要ってことで、人事担当者や障害者雇用担当者中心の従来型のセミナーの形を変えて、一般の従業員の方を主な対象に、精神障害、発達障害に関して正しく理解してもらって、職場での応援者=精神・発達障害者しごとサポーターになっていただこうと考えました』というのが、厚生労働省障害者雇用対策課の考えのようだ」

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