不気味な傾向。日本に上陸する台風は年々大型化し、速度も遅くなっている

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関東から東北地方に強い風雨をもたらし北上中の台風13号。ここ最近の台風といえば、従来に比べて速度が遅くなっているように感じられますが、その原因はやはり「環境の変化」にあるようです。健康社会学者で気象予報士の河合薫さんは、自身のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』の中で、米海洋大気局気象気候センターの研究者がNature誌に寄稿した論文等を引きながら、台風の移動速度が落ちた理由や激しい雨をもたらすようになった訳について記すとともに、災害から身を守るための「早めの決断」を呼びかけています。

※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2018年8月8日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

温暖化で変わる台風の姿

みなさま、台風は大丈夫でしたでしょうか?

関東地方では雨風共に強くなりますし、高潮の被害も予想されています。できればこんな日は会社も臨時休業にしてもらいたいです。それほどまでに最近の気象現象は「過去の経験が通じなくなっていることはみなさんも「肌」で感じているのではないでしょうか。

最新の研究では、「ハリケーンや台風などの熱帯低気圧の移動速度が数十年前より遅くなっている」ことがわかりました。Natureの6月号に寄稿された論文の筆者、米海洋大気局(NOAA)気象気候センターのジェームズ・コーシン氏によれば、

「熱帯低気圧は1949~2016年に、全体の移動速度が平均で10%低下している。上陸後に速度がより低下する地域もあった。特に、太平洋北西部では上陸後の台風の速度が30%も低下していた」

とのこと。その理由について、

極地の方がほかの地域より温暖化が速く進んでいるせいで、気圧の勾配に変化が生じ熱帯低気圧を移動させる風が弱まっている」

としています。

台風は偏西風などの大きな風の力で流されます。日本に上陸すると途端に速度を増すのも、日本上空の偏西風に台風が乗るためです。ところが温暖化の影響で偏西風が極端に弱くなったり日本列島の上空に吹いていないなどの状況が頻発しているのです。

台風の移動速度が遅くなれば、同じ場所に長時間雨が降り続けることになり、土砂崩れや河川の氾濫の危険性が高まります。特に日本列島は「ジェットコースター並」と言われるほど、急勾配の河川が多く、河川の氾濫は避けて通ることはできません。西日本豪雨のときと同様の被害が、あちこちで頻発する可能性が高まっているのです。

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