吉野家とすかいらーく異例の業務提携に学ぶ、美しき顧客第一主義

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吉野家ホールティングスが、業態の変更と業務提携という2つの方向で大きなチャレンジを試みています。今回のメルマガ『理央 周の売れる仕組み創造ラボ【Marketing Report】』では著者でMBAホルダーの理央さんが、吉野家の新業態「黒吉野家」とすかいらーくホールディングスとの業務提携について、MBA目線で深く掘り下げつつそこから学べるべき点について記しています。

吉野家ホールティングス2つのチャレンジ

吉野家が様々な工夫を凝らしている。業態の変更のチャレンジと、すかいらーくホールディングスとの業務提携について、今回は顧客視点、マーケティングの観点から、掘り下げていきたいと思う。

新業態「黒吉野家」とは何か?

まずは、セルフ式店舗を使っている黒吉野家だ。これまでの、座席がUの字になっている形式の店舗ではなく、まるでカフェのような雰囲気の店舗で、女性にも入りやすいイメージになっているとのこと(日経MJ8月20日の記事より)。

この黒吉野家というネーミングは、通常よくある吉野家のオレンジ色のコーポレートカラーではなく、黒を基調にしたブランドロゴにしていることなど、ちょっと落ち着いた雰囲気を出していることに由来している。

これは、女性顧客がこれまでのU字型カウンターの店を、「まるで相部屋みたいで入りづらい」とか、「注文はどのようにすれば良いのか分からない」といったようなイメージを持っていたことを、改善したものだとのこと。

黒吉野家では、レジの隣で支払いをし、奥で頼んだものを引き渡しされる。受け取った後は、テーブル席を広くとっている店内で過ごす。

新業態の店舗の特徴は、まずメニュー構成である。これまでなかった新メニューとして揚げ物を入れたカニ爪ころ唐丼とか、九州では福岡県限定でテスト販売の一汁三菜朝膳を出しているとのことだ。

オペレーションに関しても、これまでの吉野家でやっていた、一人の店員がお茶を出しメニューを聞いて、食べた後の精算も済ませる、フルサービスをやめたことによって、店員が移動する距離を3割短くしたとのことだ。

しかし、ここで特筆したいのは、このメルマガでも以前に取り上げた、吉野家の方針である券売機を置かない主義が貫かれていることだ。券売機を置くと、お客様と話す機会が減るので、創業以来置いていないとのことだが、自分たちで接客するというこのポリシーを曲げていない点が、長く顧客から愛される吉野家の存在の素晴らしさだといえる。

吉野家河村社長は、全体的にこのチャレンジを通して、吉野家はおじさんの店だ、と思われているイメージを変えていきたいということがあるとのこと。私も、ちょうど昨日女性起業家2人と話をしていた際に、肉は好きだけれども吉野家にはどうしても入りづらい、と言うようなことを話していたばかりだったので、この方針の変更は共感できることがある。

さらに社長のコメントの中には、創業120年の節目であること、そして、将来像をどう描いていくのか、という中での自社ブランドを、リポジショニングする中の1つの戦略だと話している。まだ、テスト段階なのであろうが、これからは半分を黒吉野家にしていきたいとのこと。これからが楽しみだ。

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