条約は欧州の安全保障の礎だった
【読売】は1面左肩と6面の関連記事。見出しから。
1面
- 米、INF条約破棄
- トランプ氏表明 核軍縮に影響か
6面
- 露は反発 報復示唆
- トランプ氏表明 NATOなど懸念
- ゴルバチョフ氏「賢明でなく誤り」
uttiiの眼
《読売》は1面の記事で、今回の条約破棄表明には「米中間選挙を控え、『米国第一の』外交方針の実行力をアピールする狙いもありそうだ」と深読みをしている。
6面記事は、内容が未整理の感をぬぐえないが、ロシアの反発や欧州の戸惑いについて、何点か、興味深い指摘がある。
1つは、リャプコフ外務次官が、実際に条約が破棄されれば「軍事的なものを含む対抗策を講じる」と報復措置を示唆したが、同時に「米国が実際に破棄するかどうか測りかねている」とみられていること。また、米国が2016年にルーマニアに配備した「イージス・アショア」は「巡航ミサイルを搭載すれば攻撃用に変更できるため、条約違反だ」と米国を非難してきたこと。さらにNATO諸国は条約が「欧州の安全保障の礎(いしずえ)」であり、冷戦時代のようなミサイル開発競争が再燃するのではないかと危惧していること、など。
《読売》は4紙中最も扱いが小さいといっていいが、ロシアも米国の「条約違反」を指摘していたことなど、興味深い事実も提示している。