平成32年9月時点の年金総額は、
- 共済組合からの老齢厚生年金274,170円+職域加算27,436円+日本年金機構からの老齢厚生年金433,269円=734,875円(月額61,239円)
となるとこの場合は今の制度上は夫の配偶者加給年金を全額停止しないといけない。
…が、夫の配偶者加給年金は共済組合を厚生年金に統一(被用者年金一元化)した平成27年10月1日前に既に付いていた人なので、この件をもって夫の配偶者加給年金が停止される事は無い。まあ、このままであれば夫の配偶者加給年金は妻が65歳(新元号4年にあたる平成34年8月分までは支給)になるまでは付き続ける。そう。このままであれば…。
最近、高齢者雇用が盛んだからちょっと働こうと思った。378ヶ月分の老齢厚生年金が貰えるようになったけど、世帯収入を増やしたくて平成32年12月から平成33年10月までの11ヶ月間は厚生年金に加入して働くものとします。この11ヶ月間の平均標準報酬額は88,000円とします(在職による年金停止は無いものとします)。
平成33年10月31日をもって退職すると、翌月の11月に年金の退職改定を行って11ヶ月分働いた期間の日本年金機構からの老齢厚生年金が平成33年11月分から増える。
- 退職改定で増える年金額(日本年金機構からの第1号老齢厚生年金に加算される分)→88,000円×平成30年度再評価率0.945÷1,000×5.481×11ヶ月=5.014円
年金の退職時改定を行うと、日本年金機構の厚生年金期間単独で241ヶ月になってしまう。という事は平成33年11月から夫の配偶者加給年金を全額停止しなければならない。11ヶ月働いて、年金が5,014円増えたけど逆に夫の配偶者加給年金389,800円が犠牲になったわけですね^^;
本来は妻が65歳(新元号4年にあたる平成34年8月)になるまでは配偶者加給年金が支給されるはずが、平成33年11月分から配偶者加給年金は全額停止になる。厚生年金に加入した事を無かった事にする事は出来ないのでどうしようもない。妻自身が65歳になるまで夫に配偶者加給年金を付けたい場合は、65歳まで退職せずに働き続けるか、もしくは新たな厚生年金加入を9ヶ月で抑えるしかなかった。
というわけでですね、夫婦の年金記録により様々ではありますが、最近は高齢者雇用が拡大した事もあって年金がより一層複雑化したので年金支給が始まる前には年金相談に行って前もって年金がどうなるのかを把握しておきましょう。
ある時、通知物が来て「年金停止しまーす!」で慌てないようにですね…。
大体、年金は通知物からクレームになる。何だこれ!意味わからん!停止?ふざけんな!o(`ω´ )oプンスコって(笑)。といってもなかなか一般の人には理解しにくいのが年金の困った所。
※追記
この妻は昭和41年4月11日以前生まれの配偶者で、夫に配偶者加給年金が付いていたので本来は振替加算38,804円(年額)が妻の老齢基礎年金に付く事になる。しかし、妻自身には240ヶ月以上の被用者年金(厚生年金241ヶ月と共済組合148ヶ月)合わせて、389ヶ月の年金が受け取れるので振替加算は付かない。
● 加給年金と振替加算額(日本年金機構)
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