ズタズタの日米韓の協力関係。米国は攻撃に躊躇なし
韓国と北朝鮮の関係については、完全に文大統領が演出する“相思相愛”関係だと言えます。昨年の米朝首脳会談のきっかけを作ったことは評価されますが、実現後にもいろいろと出しゃばり、ローマ法王まで担ぎ出そうとしたことで、欧米諸国からは総スカンを食らい、中国にもすでに相手にされていません。
まさに四面楚歌の状態となっている韓国外交ですが、唯一、前向きに見えるのが同胞北朝鮮との関係です。しかし、実際には北朝鮮からのloveのお返しはなく、相思相愛とは見せかけの韓国・文大統領の片思いにさえ思えます。それでも、同盟国アメリカや日本を度々激怒させ、日米韓の協力関係はズタズタになるなど、まさに北朝鮮はもちろん、中国の思うつぼになっています。
焦るほど墓穴を掘る典型例を今、文大統領の韓国に見ているように思えます。大はしゃぎしていますが、後ろにはもう誰も付いては来ないのが、今の韓国でしょう。
そのような中、肝心の第2回米朝首脳会談の行方はどうでしょうか。結論から申し上げますと、かなり期待薄です。
昨年来、両国間で協議を進めてきていますが、6月12日の共同宣言の内容が非常に曖昧であったこと(何一つ数値目標や年限を盛り込めなかった)もあり、未だに「朝鮮半島の完全な非核化」が何を指すのか解釈が一致していません。
米国側の意図は、北朝鮮が核開発を停止し、保持するすべての核弾頭を破棄することに加え、弾道ミサイルの開発も停止することですが、北朝鮮側は「在韓米軍という“核戦力”も含めた非核化」を指しており、それは同時に在韓米軍の撤退の要求にも繋がっています。
そして、実際の意味することがなんであるにせよ、北朝鮮側の一貫した立場は、「経済制裁を含む対北朝鮮制裁の解除」をもって、漸進的な非核化に応じるというもので、先に土産だけ取られることを受け入れることが出来ないアメリカ側の立場と相反する内容です。
本来ならば、首脳会談が成立する前提が整っていないはずですが、大統領選挙を来年に控えているトランプ大統領としては、mission impossibleとされる北朝鮮との直接対話と“何らかの”非核化に関する成果をアメリカ国民にアピールしたいとの狙いもあり、見切り発車であることは分かりつつも、第2回目の会談に臨む決心をしています。
恐らく、見事に北朝鮮側の思うつぼです。そして、また中国の思うつぼです。ただし、アメリカが延々と続く協議に居残るのであればですが。