台湾脱線事故で「問題なかった」はずの日本車両が訴えられる理由

 

問題の本質は、回生失効しやすいという脆弱なインフラに、できるだけ回生ブレーキを使って省エネという高スペックの車両を供給した、しかも安全装置に日本と欧州の仕様のチャンポンをやった、というミスマッチが招いた事故と思います。

日車さんの車両は、どう考えても本来の事故原因ではないと思うのですが、良かれと思って車両の問題を認めたために、妙な方向になってきました。このように国際感覚に欠けるディールを続けるのなら、鉄道車両輸出ビジネスというのは総見直しをしなくてはならなくなります

せっかく技術があるのに、

  1. インフラが大丈夫か、欧州のATPとの混用は大丈夫かの現場での運用確認を怠った
  2. そのくせ謝れば好印象になるとして、一方的に「ごめんなさい」をやった
  3. その結果、全責任を押し付けられて損害賠償のプレッシャーかけられている。

というような対応になっているのだとしたら、国際ビジネスの世界へ出て行くのはやめたほうがいいからです。

image by: 蔡英文 - Home | Facebook

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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