それで住みやすいか?マンション共用部分にモノ置くなと叫ぶ人々

 

共用廊下やポーチは共用部分なんだから、私物を置いてはいけない。そこは、避難通路でもあるのだから…。

それは、原則です。

でも、あまりギシギシ取り締まったら何だか暮らしにくいと感じさせることも事実です。こんな事例もあります。

小さな2人の子供を連れて自転車で買いものに行った方が、子供と荷物がある状態で、自転車をラックにしまえず、しばらく置き場以外の場所に自転車を止めていました。それを厳しく注意され、怖くなって買い物に行けなくなってしまった…という話を聞いたことがあります。

高齢の方の中には、宅配ロッカーから荷物を取り出して自宅まで運べないのでする時は玄関先に置いて行ってもらうように頼んでいる…という方もいます。

自分自身のことを考えても、子育て中は、あまり厳しくいわれたら、住みにくかっただろうと思いますし、今後、高齢独居になったら、やはり、いろいろな事情も生じるでしょうから、今は、何の問題もなくルールを守れたとしても、まわりの人の事情にも敏感でいたいと思います。

皆が、周りを気遣って、ルールを守りながらも、それぞれの事情があるのだからと、一時的なものや、迷惑にならないことには、片眼をつぶっている…それが、暗黙のうちにバランスの取れた住み心地のいい状態をつくってきていたとしたら、それは、とてもいい文化だと私は思います。

その文化に無関心だった人が、急に、「管理(監理)すること」に目覚め、画一的に取り締まって、文化を壊していくことは、マンションにとって決してプラスだとは思えません。結局、重大な合意形成時に必要なのは、まわりに対する気配りや事情がある人に対する想像力でありその文化が育っていることだと思うからです。

もちろん、最初から、ルールを守ることを徹底し、それによって資産価値を維持するというコンセプトを守り続ける…それもひとつの文化だと思います。

それぞれ、文化が違うのは当たりです。

今のご自身のマンションの文化は、どんなものですか?その中での住み心地はいいですか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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