米国で成功した日本企業に共通する「変わり続けること」の重要性

 

そして、最後は『試行錯誤を繰り返す』ということ。
これも「何を当然のことを」と怒られるかもしれません。そんなの北米進出も、日本国内でのビジネスも同じじゃないか、と。ただ、その試行錯誤の回数、重要性、は国内でのビジネスシーン以上に重要かもしれません。

結局、成功するかどうかは、誰にもわからない。当たり前の話ですが、どんなに優秀な経営コンサルタントもわかりません。どんなにデータ予測を重ねても、予測でしかない。

以前、ユニクロがニューヨーク初進出をした際のこと、柳井会長に取材しました。その際、会長がおっしゃった言葉が「自信を聞かれたら、あると答えます。でも、どうなるかなんて蓋を開けてみないと結局、わからないじゃないですか。だからとりあえずスタートしてみる。あとは、やりながらマイナーチェンジを続けていきます」でした。

その後、ユニクロがマイナーチェンジを続けたのかは、一見、素人見には、わかりませんが、少なくともユニクロは今、ニューヨークで大ヒットしています。

進出する!と決定する際の大胆さは必要でも、一旦走り出したら、あとは微調整が必要になってくる、ということでしょうか。前述の「日本の時と、一切変えない」と頑なだった社長も、いざビジネスがスタートすると、絶えずマイナーチェンジを強いられます。それは、結局、どこまで行っても僕たちはこの国では「外国人」だから、です。

これは一つ目の『クールジャパンって言葉に安心するな』に通ずることかもしれません。「MADE IN JAPANって、品質いいでしょ~。アメリカでも手に入るようにしてあげますからねー♪」なんて、上から目線な限りは絶対に成功しません

それに、意外とニューヨーカーって、日本人がそう思っていると、思っています。「日本人はやたら、MADE IN JAPANのクオリティーを自慢するよね」と笑ったニューヨーカーの友人がいました。かなり、恥ずかしく「もう、思っていても口にするなよ」と日本から来たお客さんに思ってしまうこともしばしばあります。

ちょっと話はズレますが、アメリカ人の中で「日本は、とても性能がよくて、なおかつ壊れなくて、長持ちするものを作る」というイメージは確かにあります。電化製品、車、それらすべて、そのイメージです。それはみなさんもご存知の通りです。

でもね。「クールで、スタイリッシュで、イケてるモノを作る」とは思われていないよ。

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