米国で成功した日本企業に共通する「変わり続けること」の重要性

 

世界の先進国で、これだけモノが溢れている時代。多少、不便でも、壊れても、これからは、「クールで、スタイリッシュで、イケてるモノ」にお金を使いたい、とアメリカ人も、ヨーロッパ人も、ブラジル人も思っちゃうんじゃないでしょうか。戦後じゃないんだから。そういう流れからみると、ちょっと不利な気もします。

堅実で、真面目で、浮気しない男よりも、カッコよくて、浮気性で、危険な匂いのする男の方がモテるのかもしれません(ごめん、たとえ話が余計わかりにくいかも)

話を戻すと、日本の人が思うほど、日本製品のそのままを、ニューヨーカーは受け入れない可能性があるということです。なので、現地で実際、ビジネスを走らせつつ、チェンジしていくことが必要。

ここから先は、人から聞いた受け売りで、ネットにも載っている話なので、メルマガで書くのはちょっと気が引けますが、いちばんわかりやすい例としてあげてみます。

トヨタが米国進出では成功したけれど、ヨーロッパでは当初、まったく売れなかったと言います。理由は、「デザインがクールでスタイリッシュではなかった」から。もともとダサいアメリカでは、その性能と安さでアメリカ車よりも売れました。

でも、洗練されたヨーロッパ諸国では、どんなに「MADE IN JAPANの性能の高さ」を言われても、「見た目がちょっとねえ…」と実際に、お金を出して、買う、というアクションにまで及ばなかったと言います。

でも、そこからトヨタはヨーロッパ市場に向けて、デザインを重視するラインナップを連続で発売して、支持されるようになったと言います。今では説明不要なほど、欧州はTOYOTAだらけ、です。性能は日本のまま、デザインを現地好みに変えていく。あの天下のトヨタでさえ、そうやって試行錯誤を重ねてきた。

ニューヨークでラーメン店「一風堂」が大人気なのは、日本でも有名だと思います。オープンから10年、いまだに開店前から大行列。理由は美味いから。

オープン当初、創業者の河原成美会長に取材させてもらった際に、彼はこう言って笑いました。「創業30年になるけど、今でも、お客さんが気づかない程度に、味をマイナーチェンジしてるんですよ。どう変えてるかは、企業秘密だけどね」

変わり続けることの重要性を垣間見た気がします。

image by: Ritu Manoj Jethani, shutterstock.com

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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