では、すべての話を、論点の絞れた話にするためにはどうすればいいのでしょうか?前述の例文で、感づいた方もいらっしゃるかもしれませんね。
それは、「話の要素を、もうそれ以上割り切れないところまで、分解して、速攻で、それに答えるようにすること」です。どういうことなのか、説明しますね。
私たち人間が日々話すテーマにしている事象は様々なのですが、その事象にはそれぞれ、話すべき要素がいろいろ含まれているものです。
例えば、「私のこと」これもひとつの話すテーマですよね。私たちは日常的に、「私のこと」を話しています。でも単に「私のこと」と言っても、話すべきことは何種類もあるでしょう。
つまり「私のこと」だけでは、論点が絞り切れていないのです。なのに「私のこと」というざっくりしたテーマだけを念頭に置いたまま、話し始めてしまうから、話が分かりにくくなってしまうのです。
「私のこと」のようなざっくりしたテーマは、まだまだいろんな切り口で分解することができますよね。数字で言えば、48みたいなもの。2でも3でも4でも6でも8でも12でも24でも、割ることができます。
前述の例で考えてみましょう。
私のこと(の中でも)
- > 昨日のこと
- > 楽しいと感じたこと
- > (その中で)一番
ここまで分解すれば、もう割り切れない状態ですよね。これに答えればいいのです。私のこと>昨日のこと>楽しいと感じたこと>一番=迷子になった〇〇ちゃんと出会えた瞬間
ハイ、論点の絞れた分かりやすい話が、一丁あがりですね。
コツは、「速攻で」答えることですよ。
お気づきかもしれませんが、「私のこと>昨日のこと>楽しいと感じたこと>一番」という、話のテーマを提示していく部分が、話の前振りのような形になっていますから、答えは、そのすぐ後に言うこと。
話をわかりやすくする方法として「主述を近づける」という記事を過去にも書いたことがあります。主述が離れるほど、話が難解になっていきます。意図的に難解にしたいのでなければ、前振りしたら速攻で答えるほうが、良いと思います。
もちろん話の演出テクニックとして、問いと答えを時間的に離すという手はありますが、そのためには、振った問いを聞き手に忘れられないように印象付けたり、自分自身が答えを言い忘れないようにしたり、など、わざわざ話を難解にするには、相応の苦労やリスクも伴うものです。
また機会があったら解説しますね。話をもとに戻します。