長い夏休みももうすぐ終わり、子どもによっては、新学期への不安が高まっている時期です。子どもの不安をやわらげ、前向きな気持ちにさせるには、親のサポートが欠かせません。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者で家庭教育のプロの柳川由紀さんが、親ができるサポート法を伝え、休みの残り期間と新学期直後に心がけておきたい2つのことをアドバイスします。
夏休み明けの不安を払拭!
Question
夏休みも残り10日を切り、娘がだんだんそわそわしてきました。仲の良かった友人が転校していき、娘は2学期のスタートが心細いようです。女子同志特有の仲間意識があるため、なじめるか心配です。(小5女子のお母様より)
柳川さんからの回答
2学期への準備としてはちょうど良い時期です。娘さんの心細さを払拭できるよう親としてのサポート法をお伝えします。
1.担任へ伝えておく
仲の良かった子が転校していき、遊び友だちがいなくなることは、本人にとってはとても不安です。担任もそれなりに気を遣って下さると思いますが、親としても2学期スタートの時点で、担任へ一言伝えておきましょう。
2.これまでの子どもの頑張りを認める
1学期や、夏休みを振り返って、少しでも成長したポイントを大いに認めてあげましょう。例えば、逆上がりができるようになった、泳げる距離が伸びた、或いは伸びなくても、泳ぎのフォームが綺麗になった、など何でも良いのです。
もちろん、学習面の成長でもOK。百マス計算の記録が伸びた、漢字を覚えたなど、探せばたくさんあるはずです。子どもは子どもなりに、2学期を顔張ろうと思っているものです。その気持ちや高揚感を大切にしながら、前向きに認めましょう。
3.できていることから挑戦へ
できていること、できるようになったことを周囲が認めると、子どもは自分の成長を自覚します。「自分は頑張ってできるようになった」という自信が、次への挑戦に繋がります。
そこで、子どもの挑戦や夢を語りながら2学期の目標を立てましょう。例えば、体育祭の個人競技で入賞する、合唱コンクールで優勝する、書道で金賞をとる、授業中必ず一度は発表するなど何でも良いのです。
その際、注意することは、子どもが主体的に「●●を頑張る」と自分から言い出すように会話を進めることです。
夏休みの締め、学期スタートに心がけること
夏休みの締め、2学期スタートに当たって、親として心がけてほしいことが2つあります。1つは、子どもの「苦手箇所の把握」です。夏休みの宿題帳を見直すと、子どもの苦手箇所がわかります。
例えば、敬語の使い方や「竹取物語」などの古文が苦手だったり、算数の少数の掛け算、割り算が苦手だったりするかもしれません。
苦手なまま2学期になるとますますわからなくなり、その科目自体を嫌いになりかねません。夏休み中に苦手意識をなくせるように、ピンポイントで集中学習しておきましょう。
2つ目は、友だち関係の問題の把握です。クラス内の人間関係は、子どもの元気のバロメータとも言えます。1学期は様子を見ていることもあって、遠慮がありますが、2学期になるとトラブルが表面化する場合もあります。
いじめや喧嘩が起きたり、「先生との相性が良くない」などと訴える子どもも出てきます。子どものそうした訴えや小さな変化には、間をおかず、すぐに対応しましょう。問題の芽は小さいうちの方が担任も対応しやすいものです。
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