運動不足になりやすい夏の間に筋肉が落ちてしまったカラダは、低体温ぎみになり、免疫力も低下してしまいます。涼しくなったらすぐにカラダを動かして筋肉を取り戻したいところですが、メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』の著者、のぶ先生によれば、「筋肉貯金」をするためのハードトレーニングは3日に1回でいいそうです。慌てずに徐々に習慣化するようアドバイスしています。
筋肉貯金
【「筋肉貯金」というのがあるらしい】
ネット上の記事を観ていて、ふと「筋肉貯金」という文字に目が止まりました。ひとはある一定の年齢になると、筋肉量が減ります。
成長期から20代くらいまでは、男性も女性も性ホルモンの分泌がよく、自然と代謝が高まり、肥満しにくく一度獲得した筋肉量はある一定までは維持されてきました。
30代ともなると、普段運動習慣のない人は徐々に低下する性ホルモンの分泌や、相対的に減少する筋肉量の低下による低体温や免疫力の低下などで、体力が急に落ちたように感じます。顔の表情筋なども引き締まる力が低下し、たるみやしわが気になり始める頃でもあります。
40代ともなれば、男女ともに始まる更年期の影響で、筋肉量は益々低下。今度はベースになる代謝力が弱いため、運動してもなかなか効果的に筋肉量が増えないばかりか、弱まる関節のため、ちょっとした運動でも関節痛や腰痛などがおこりやすいコンディションになってしまいます。
【寝だめ食いだめはできないが】
よく「寝だめ」「食いだめ」はできない、といいます。栄養補給や睡眠による回復は、体内に蓄積しておくことができないため、毎日ほどよく行わないとかないません。でも、筋肉に関しては運動することで、筋肉量を増やすことは可能です。
また、1日使って増えた筋肉量は、数日休んでも急に減ることはありません。年齢によってはかえって、1日ハードトレーニングをしたら、2日ほど休む習慣があった方がカラダの回復と筋肉量の増強には効果的です。(2週間安静状態が続くと、ガタンッと筋肉量が減ることがあります。ケガなどによる筋肉の安静が必要な期間が長いと、トレーニングした甲斐が無駄になるというわけですね。)
【「筋肉貯金」をするには関節のケア】
体表部の運動に関する筋肉をまんべんなく活躍させることで、代謝や運動パフォーマンスが高まるため、ケガや風邪、生活習慣病の予防に役立ちます。
また、メンタル面も丈夫になり、自分に自信をとりもどすこともできるので、適度な運動習慣やスポーツへの積極的な取り組みは、自らの若々しさを保つ上で、とても手軽で効果的な取り組みとなります。
ただ、筋肉にばかりこだわりを持って、運動を支える関節への負担を顧みることを忘れてしまうと、思わぬケガをして、かえって運動不足の原因になりかねません。10代から20代の一度に大量の筋肉量を貯金できたころに比べると、関節や疲労の回復力を考慮すると、ほどよい身の丈に合った筋肉貯金におさえておくことの方が、長い目で見ると確実で効果的です。
目安は翌日に疲労感が残らないこと。運動し始めは、翌日から数日後にかけて疲労感や筋肉の痛みを感じることがあります。あわてずゆっくり運動習慣や新しい運動を試みて、じっくり長い期間をかけて運動に慣れていくことが必要です。
ある一定程度の運動量をこなせるようになると、急にカラダが楽になり、比較的ハードな運動もこなせるようになることができるので、先々の励みにして様々な運動に取り組む積極性が身につくとよいですね。
暦も秋になり、徐々に気温が穏やかになると、運動が急に恋しくなることがあるかもしれません。そんなカラダの欲求にこたえられる準備を、今からはじめられるとよいですね。
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