金正恩が朝鮮半島からトランプに贈るクリスマスプレゼントの中身

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世論の分断を招いたチョ・グク氏に関する報道は収まっている韓国ですが、現在はGSOMIA破棄の延長と北朝鮮による挑発が大きな話題となっているようです。今後、朝鮮半島情勢はどのように推移するのでしょうか。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年の日本人著者が、北朝鮮の軍事挑発の真意や、その行為が米・韓・日に与える影響の読み解きを試みています。

2019年12月、朝鮮半島情勢

10月14日にヂョグク氏が法務長官を辞任するという事態にまで発展した。ヂョグク問題は妻の拘束をうけて一段落した。娘の大学入学の不正やファンドの不正などの疑惑をめぐって検察と弁護団の攻防戦となっている。ニュースにはほとんど出ないようになっている。

メインの話題は、軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)」の破棄の延長を決定したことがまずある。突然の延長決定だった。筆者も11月のあのときには驚いたものだ。ほぼ100%、破棄するといっていた文政権だった。それがその日(だったか前日だったか)に破棄しないと発表したのだ。米の圧力があったともいわれているけど、どこまでの圧だったかはわからない。

そして最近の北朝鮮の挑発事態だ。北朝鮮国防科学院は「13日22時41分から48分まで西海ソヘ衛星発射場で重大な試験が再び行われた」と14日に明らかにした。この東倉里衛星発射場は昨年6月、シンガポール、米朝首脳会談当時、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)、国務委員長がドナルド・トランプ米大統領に廃棄を約束した場所でもある。北朝鮮は今月8日にも、西海衛星発射場で「重大な試験」を実施したと明らかにしている。

こうした北の挑発行為に対して米もこんなことをやっていると北に大きなダメージが発生するだろうと警告性のメッセージを出してはいるものの、今のところ北の腹を探っているような様子だ。

北は以前、経済制裁の緩和をしてほしい、今年12月末がその限度だとのメッセージを出している。12月末までになんらかの緩和策が出てこない場合は、米にとってのクリスマスプレゼントがどんなものになるかわからないぞと脅しをかけていた。

ネットをみると、朝鮮半島での戦争の雰囲気がだんだん高まってきているという内容も見られるようになってきた。今後、北と米、北と韓国の関係がどうなっていくか。この年末がまずはひとつの大きな山場となることはまちがいない。

日本に対しても何らかの挑発があるかもしれないけど、順番としては米そして韓国、その次に日本というものであろう。米にむけてのICBMの発射実験が行なわれるようなことになった場合、米(トランプ)がどう出てくるか。今年末から来年2020年の年明けにかけて、朝鮮半島はまた目の離せない状況になっている。

image by: Alexander Khitrov / Shutterstock.com

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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【著者】 キムチパワー 【発行周期】 ほぼ 月刊

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