限りなくゼロに近い公約達成。それでも小池知事が圧勝した裏事情

 

独自候補を擁立できなかった自民党も情けないですが、与党は何もしなくても野党が勝手に分裂して自滅してくれるという、今の国政とまったく同じ政治力学が、今回の都知事選でも働いてしまいました。大方の予想通りの結果なので、結果自体には特に驚きはありませんでしたが、あたしが唯一驚いたのは「投票率の低さ」でした。

東京都の有権者数は約1,147万人ですから、投票率1%は約11.5万人に当たります。今回の投票率は55%、前回より4.73%の下落なので、投票に行かなかった有権者が前回より約54万人も増え、合計で約516万人が投票しなかっことになります。

東京の現状に不安や不満を抱えている都民が多ければ、天気に関係なく投票率は上がるはずです。しかし、こんな状況下なのに、有権者の2人に1人は投票しなかったのです。つまり、都民の2人に1人は東京の現状に何の不安も感じず、何の不満も持っていないということになります。これは、あたしには到底理解できない「驚くべき事実」でした。

投票率の低さについて、「新型コロナ禍だったから」とか「投票日が雨だったから」などというのは後づけの理由です。今は便利な期日前投票があるのですから、それでも投票に行かないということは、結局は「政治に無関心」ということなのです。2人に1人は「自分の暮らしている都道府県の首長が誰でも別に構わない」「自分の納めている税金がどのように使われても構わない」という人たちなのです。

あたしは、小池百合子を再選させた366万人よりも、投票に行かなかった516万人を本当に残念に思いました。仮に「投票したい候補者がいない」と言うのであれば、投票所に行って白票を投じるべきだったからです。無記入の白票は当然「無効投票」になりますが、投票率にはカウントされるのです。

今回、366万票を集めて当選した小池百合子の得票率は59.70%、このままでは都民の約6割が小池百合子を支持していることになります。しかし、投票に行かなかった516万人が、もしも白票を投じていたら、投票率は100%になり、小池百合子の得票率は約32%、都民の3分の1にしか支持されていないことになっていたのです。同じ当選、同じ得票数でも、この得票率の違いはとても大きいのです。

白票は、当選者だけでなく、自分の支持していないすべての候補者の得票率を下げることに繋がります。もしも「投票したい候補者がいない」と言うのであれば、その思いを白票という形で主張するのが有権者の責任であり義務である。あたしはそう思っています。(『きっこのメルマガ』2020年7月8日号より一部抜粋)

image by: 小池百合子 - Home | Facebook

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