最も高額な有給休暇。国会はなぜこの非常時に閉じているのか?

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予定を早めて実施された「Go Toキャンペーン」は、実施直前に東京発着や団体旅行を対象外にすると発表。変更に伴うキャンセル料も補償しないとしていたのが一転補填が決定。迷走するコロナ対策と経済施策に一度ならず二度「大丈夫か!」と声を上げるのは、メルマガ『8人ばなし』の著者、山崎勝義さんです。山崎さんは「新型コロナ特措法」を臨機応変に改正し運用するという国会議員の仕事を放棄し、「有給休暇」を決め込む政府・与党に苦言を呈しています。

コロナと国会のこと

国が迷走している。「Go To キャンペーン」なるものをわざわざ前倒ししてまで全国一斉に強行するかと思ったら、一転東京除外である。除外されたため、結果生じることになるキャンセル料はこれを補償しないと強調していた筈だが、またまた一転補償するである。大丈夫か!

また、エピセンター化している所謂「夜の街」も風営法でもって取り締まると言う。誰が見ても法令本来の目的とは異なる運用の仕方だ。しかも当該法令の性質上、実際の立ち入りはおそらく警察が行うことになるであろうから、ある意味公権力の濫用とも言える。本当に、大丈夫か!

そもそも「新型コロナ特措法(新型インフルエンザ等対策特別措置法)」はどうなった。これを臨機応変に改正しつつ、時々刻々と変化する感染状況に後れを取らぬようにして行くというのが本来のあり方であろう。然るに政府発表によれば、そういった法改正はコロナ収束後にやると言う。相手は(ほぼ未知の)ウイルスである。呑気にもほどがあろう。火が収まってから火事場に消防を派遣しても何の意味もない。

「新型コロナ特措法」は動く法でなければならないのだ。しかも柔軟に迅速に、である。それができないのは何故か。国会が閉じているからである。できる訳がないのである。「今は平時ではない」と口々に言いながらも、閉会中審査だけでやり過ごそうとしている。この未曾有の国難を国会抜きでどうにかしようと考えているなら、政府も与党もそれこそどうかしているとしか思えない。

個人的に私は国会議員の給料(歳費)が必ずしも高過ぎるとは思っていない。正当な選挙で国民に選ばれ、国のあり方を決定するという重要な職責を担っているからだ。これは生半な覚悟では務まらない(筈だ)。そう考えれば、然るべき報酬があって当たり前である。ただそれは国民のために働いてこその話である。この非常時に、国民の生命と財産がまさしく危機にさらされている今この時に、益体もなくただ閉じこもっているだけならとんだ税金泥棒ではないか。少なくともこの日本で今、最も安全に最も高額の有給休暇を得ている人たちは国会議員であろう。

今こそ休むな!国会はすぐさま召集されるべきなのである。ウイルスは待ってはくれないし、容赦もしてくれない。対策が後手に回れば患者数は増大し、決定を先延ばしにすれば経済損失は拡大するばかりである。実際、何の対策も講じなかったから全国的に患者数が増加することとなった。スケジュールに固執し決定を先延ばしにしたために本来支援する筈の観光業者に余計な負担を掛けることになった。

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