新型コロナの感染拡大により、不安な気持ちを抱えているのは社会人だけではありません。これから受験をひかえている学生たちも、先行きの見えない情勢にストレスを感じているのではないでしょうか。そんな中、メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』著者の柳川由紀さんのもとに「大学受験を心配する高校2年の息子をストレスに強くさせるには?」という相談が寄せられました。柳川さんが伝授した、子どもがストレスに強くなるための習慣とコツとは何でしょうか?
受験のストレスに強くなる方法は?
Question
息子はコロナ禍で思うように勉強が進まず、1年後の受験について今から心配しており、とてもストレスがかかっているようです。少しでもストレスに強くなる方法があれば教えて頂きたいです。(高校2年男子のお母様より)
柳川さんからの回答
コロナ禍で、生活環境はこれまでと一変し、不安を覚えている方も多くいらっしゃるようです。環境が変わるだけでも大きなストレスですから、受験が控えているとなれば、なおさらでしょう。
ストレスに強くなるための習慣を身につけることをお勧めします。
1.合理的な考え方をする
普段から、ネガティブな言葉をポジティブな言葉に置き換える練習をすることはとても有効です。心を病んだ方への論理療法としても使われています。
例1:一つでも失敗があれば、全て失敗したも同然
→6割もの人がこれを評価してくれた、次に繋げよう。
例2:これまで、一度も良いことなど無かった
→良くないことが続くけれど、あの部分は楽しかった
例3:ミスをした他人を励ませるのに、自分のミスは許せない
→自分に対して寛容になることも大事
例4:常識的に考えて、大人らしい行動をするべきだ
→世代が違えば捉え方も違う。親しみが感じられていいかもしれない。※
2.首尾一貫感覚を鍛える
大きなストレスがかかる出来事に遭遇した時、ストレスを感じないようにするポイントは、「首尾一貫感覚」を持っているかどうかです。
これは、第2次世界大戦中に強制収容所という過酷な環境を生き抜いた人々を調査した結果、ストレスに打ち勝ち、健康で長生きした人の共通点です。
首尾一貫感覚とは、ストレスに対し、何らかの意味を見いだせる「有意味思考」、直面した状況を、秩序だった明確な情報として受け止められる「段取り思考」、何とかなるはず、と思える「楽観思考」と言う3つの思考を言います。普段から、お子様にの3つの思考を意識させるような声かけをしましょう。
3.自己評価で判断
結果が悪かったとしても、『自分の努力が足りなかった』と気づくだけでも自己成長につながります。
一方、成功だと考えることもできます。つまり結果に対して『成功か失敗か』は他人ではなく自分で決めればよいのです。ストレスを感じないためには、『他者』からの評価ではなく自己評価で判断することが大切なのです。
家庭教育アドバイス…「ストレスがあるからこそ前を向ける」
より良く生きようと思うと現実とのギャップを感じ、何らかのストレスを感じます。
一方、「このままでいい」と思うと、そのギャップはなくなりますが、生活の満足度が低くなって行くという研究結果が出ています。
「ストレスを避ける」のは良いことですが程度の問題で、ストレスを避ければ幸せかというと、必ずしもそうではありません。
人は、ストレスをうまく乗り越えられた時に達成感を覚えます。言い換えれば、ストレスは「生きる幸せを感じさせてくれるもの」でもあります。心の健康は、「ストレスによる疲れとその回復」を行ったり来たりする中で得られるものです。ストレスに対して「3つの思考」を意識し、耐性をつけ、「心の健康」を保ちましょう。
※『「職場のメンタルヘルス」を強化する』吉野聡著(ダイヤモンド社)
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