税理士が解説。政府が検討する「M&A税制改正」で何が変わる?

 

準備金制度の創設

全部で3つの税制改正が予定されていますが、すべてに共通するのは「買い手への優遇措置」ということです。

まず一つ目は、「買収時のリスクを軽減するための準備金制度の創設」です。中小企業のM&Aにおいても、買収後に簿外債務や訴訟案件、労務トラブルなどが発覚するリスクがあります。これらのリスクに備えるために、「買収費用の一部を準備金として計上して税務上の損金(経費)に算入できるようにする」予定です。

買収費用を経費算入できると、もちろんその分、払うべき法人税等が減ります。ただし、準備金制度ですので、買収後5年後あたりからは、益金(収益)計上となりますから、そこで課税の取戻しが行われます。

設備投資減税10%

また他にも、「システム統合などの設備投資も、投資額の最大10%を法人税から税額控除できるようにする」予定です。M&Aを実行してからの設備投資費用に対する支援となっています。資本金3,000万円以下の場合の税額控除率は10%、資本金3,000万円超1億円以下の場合の控除率は7%で調整されているようです。

更には、「買収後に人員削減するのでなく、雇用の継続を促す制度」も導入される予定です。買収先の従業員を雇い続け給与などの総額を前年から一定割合以上増すと、税額控除を認める案で調整されています。

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【著者】 マネーコンシェルジュ税理士法人 【発行周期】 週刊

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