高まる「安倍を証人喚問せよ」の声。狂った「院政計画」シナリオ

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「桜」疑惑で東京地検特捜部の任意聴取を受け、不起訴が確定した安倍晋三前首相。国民に向けて釈明の会見をおこなうも、未だ疑惑の影はチラついたままで、信頼回復にはいたっていません。メルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』の著者で元議員の石川知裕さんが、降雪第一秘書が略式起訴されたことは打撃が大きいとして、野党や国民の間からも高まる「証人喚問」の声によって、政権を陰で操る「院政政治」への夢は消えたのではと見ています。

歯切れ悪く、強まる証人喚問の声…前総理が目論んだ「安倍院政政治」は泡と消えたか

「桜を見る会疑惑」について、東京地検特捜部が安倍晋三前総理への聴取に踏み切った。

林真琴・検事総長は、法務事務次官就任を二度も「安倍─菅ライン」に阻まれて恨みを持っていることは有名な話で、賭けマージャンで辞任した黒川弘務・元東京高検検事長の時代とは違って、政権との距離は大きい。

これまで法務省・検察庁に強い影響力を持っていた黒川氏が東京高検検事長の定年延長問題を機に「政治との距離が近すぎる」と国民から疑念を抱かれていた検察としては、安倍聴取をしなければ国民からの信頼を落とす可能性もあったので引けないという立場もあり、聴取を実施したのだろう。

安倍前総理にとって、事情聴取を受けて公設第一秘書が略式起訴とはいえ罪に問われることは大きな打撃だ。 加えて国会で虚偽答弁を繰り返したことは印象が良くない。

12月25日に開催された議院運営委員会での弁明も消化不良だった。なにせ歯切れが悪い。安倍氏に対しては今後、証人喚問の声は強まるだろう。 

今年でひと区切りとしたかった菅政権にとっては、この問題が越年するのは痛手だ。

安倍前総理は2021年、細田派を安倍派に衣替えして院政を敷こうと考えていた。

派閥の後押しがない菅総理は、細田、二階、麻生各派の支援がなければ引きずり下ろされる可能性もある。

二階俊博氏は幹事長として君臨しているが、御年82歳。 いつまで政界で君臨していられるか定かではない。 

80歳を超えてからの一年一年は今まで以上に衰えるスピードが速くなる。 麻生氏も80歳を超えているし、細田氏も引退が近い。 竹下氏も体調不良だ。 

そうなると主要派閥で元気なリーダーは安倍氏ぐらいしか見当たらず、また「一強」となる。

しかし、桜疑惑が刑事事件に発展したことで安倍氏の「院政計画」は狂ってしまったと言えるだろう。 刑事事件からの復権には時間がかかるからである。

自民党の権力の中心が見えない事態になりつつある。

image by: 首相官邸

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1973年北海道足寄町生まれ。函館ラサール高校、早稲田大商学部卒。96年2月から2005年7月まで小沢一郎秘書。同年衆院選で北海道11区から民主党公認で立候補して中川昭一氏らを相手に落選、07年3月に繰り上げ初当選。09年再選。10年1月、政治資金規正法違反容疑で逮捕、同年2月に起訴。12年12月、三選。同年5月、議員辞職。2017年10月、妻・香織が衆院議員に初当選。同月、公民権が回復。政界復帰に向け、コツコツと活動中!!! 著書『悪党』は5万部を超える大ヒット作に。そのほか、『雑巾がけ』など著書多数。

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