小林礼奈「蒙古タンメン中本」騒動に違和感。お客様は“神様”ではない

 

お客様は神様ではない

「サービス業だから、飲食だからすべてのお客様に徹底して尽くす」ことは、ブラック労働につながる恐ろしい考え方で、私は全否定したいと思います。

ではサービス無視して良いのか、そうではありません。

私が常に提唱するのは「お客様は神様ではない。お客様はお客様」ということです。

単価に見合うサービスを提供するのが店の役割であって、「800円~1000円程度の単価の商売では、800円~1000円程度の接客サービスを提供する義務がある」ということです。絶対に1人3万円コースのサービスを提供することはできないし、してはならない、従業員にさせてはならないのです。

社長が店を擁護するような、結局お客である小林さんの非をあげつらうような指摘をしたことは正しいのです。社長は社員を守る義務があります。ある意味、その場限りのお客以上に、日々働いてくれるスタッフを擁護することは、組織管理上、人事管理上、経営管理上、私は正しいと断言します。

それで客離れしたら?

それはそのサービス・商品が価格に合わなかっただけです。

繰り返しますが単価800円のラーメンで3万円のフルコースのサービスをしてはならないのです。もしそのような無理をすれば、そのツケは従業員に強いられるか、経営者が経営を継続できなくなります。

このようなお話を私は、特にサービス業や飲食・接客業界でよくさせていただいています。

特に厳しい現場である飲食や介護の関係者の皆さんに、こうした「料金に見合うサービス提供が『正しい』」ことを力説しますと、講演後握手を求めていただいたり(現在はオンラインなので無いですが)中には涙を流して感謝をしていただいた、こちらが恐縮してしまうような経験があります。

過酷なサービス現場で働く皆さん。お客は神様などでは絶対にありません。お客はお客です。そのことを全面的に訴え続けて行きたいと思います。

image by: 小林礼奈のブーブーブログ

増沢隆太

増沢隆太

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「謝罪のプロ」として著名人記者会見のたびにテレビ、ラジオ、新聞でコメントしまくるコミュニケーションのプロ。ロンドン大学大学院では戦争研究を行い、帰国後外資系企業数社でブランドマーケティングを担当した。その後、人事コンサル会社勤務を最後に独立し、人事・経営コンサルタントとして活躍。現在は講演、企業研修、大学生向け講座などで全国を回るほか、東京工業大学の特任教授も務めた。

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