ですから、このような主義主張をしたら、その直後に、
● なぜ私は愛情が一番大事だと考えるのか?
を述べなきゃならないんです。この当たり前のことができていない人が、実は社会人にはたくさんいるんです。それと同時に、このケースでは「自分が考える愛情とはどんなことを指しているのか?」も述べる必要があります。愛情のような抽象的な概念って、人によって受け止め方は様々で、そこに明確な正解なんてないんです。
これが具体的な行動ならば、誤解の余地は少ないのですが、愛情、親切、優しさ、共感みたいな抽象的な概念は、人によって解釈に幅があるんですね。そのギャップを先に埋めておかないと、後々話が進んだ時に、こちらの主張と相手の理解に乖離が生まれてしまうわけです。それを避けるために、
● 私が考える愛情とは○○のことである
のような形で、説明をすることも重要です。これが定義の説明です。これはつまり、「それってどんなことを意味しているの?」ということで、これはできるだけ具体的なことを提示しておくと、誤解が減るんです。
この例では、愛情とは何か?を説明するわけですが、
▼ 愛情とは優しさである とか
▼ 愛情とは共感することである とか
▼ 愛情とは信頼である
のような抽象概念で説明するのはダメなんです。これはタダの言葉の置き換えに過ぎず、説明になっていないからです。これを具体的な行動や状態で説明すると、解釈の幅が狭くなるので誤解されにくくなるんです。
分かりやすい文章を書く人は、このふたつがしっかりしているんです。
この「なぜそう考えるのか?」と、「それって何を表しているの?」の二点を主義主張の直後に配置するというクセを付けるだけで、あなたの文章は分かりやすいモノになります。
論や意見、あなたの考えを文章で述べる時には、この二点について書き漏らしがないかを、必ず確認するようにしてください。
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