ツッコミどころ満載の岸田首相「所信表明」28箇所で浮上した4つの問題

 

世界では、健全な民主主義の中核である中間層を守り、気候変動などの地球規模の危機に備え、企業と政府が大胆な投資をしていく。そうした、新しい時代の資本主義経済を模索する動きが始まっています。

この部分をみると、バラマキというよりも、バイデン政権のグリーン・ニュー・ディールだとか、GAFAのポリコレ世界戦略と同じように見えます。経済合理性を逸脱するものではないです。

今こそ、我が国も、新しい資本主義を起動し、実現していこうではありませんか。

バイデン流、あるいはAOC式、あるいはジョブズ教を日本でも、ということでしょうか。それ自体が全くもって簡単ではないんですが。

「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」。これがコンセプトです。

 

成長を目指すことは、極めて重要であり、その実現に向けて全力で取り組みます。しかし、「分配なくして次の成長なし」。このことも、私は、強く訴えます。

 

成長の果実を、しっかりと分配することで、初めて、次の成長が実現します。大切なのは、「成長と分配の好循環」です。「成長か、分配か」という、不毛な議論から脱却し、「成長も、分配も」実現するために、あらゆる政策を総動員します。

わかったようで、分からない、煙に巻くような不思議なロジックです。ただ、「成長を目指すことは、極めて重要」であるが「分配なくして次の成長なし」というのは、最初に成長がなければ分配の原資はないという意味にも取れるので、そんなにヒドいバラマキでもないような。

新型コロナで、我が国の経済社会は、大きく傷つきました。

 

一方で、これまで進んで来なかったデジタル化が急速に進むなど、社会が変わっていく確かな予感が生まれています。今こそ、科学技術の恩恵を取り込み、コロナとの共生を前提とした、新しい社会を創り上げていくときです。

デジタルもやるというのは悪くありません。

この変革は、地方から起こります。

というのは、大いに結構。パチパチパチパチと行きたいところですが。

地方は、高齢化や過疎化などの社会課題に直面し、新たな技術を活用するニーズがあります。例えば、自動走行による介護先への送迎サービスや、配達の自動化、リモート技術を活用した働き方、農業や観光産業でのデジタル技術の活用です。

例があまりにもセコいのと、中央官庁のデジタルによる徹底効率化については、もしかしたら守旧派という印象も。

ピンチをチャンスに変え、我々が子供の頃夢見た、わくわくする未来社会を創ろうではありませんか。

 

そのために、「新しい資本主義実現会議」を創設し、ビジョンの具体化を進めます。

ピンチというのは、コロナなんでしょうか?それとも地方衰退なんでしょうか?それとも産業全体の競争力喪失なんでしょうか?まあ、あまり自己否定的なことを語ると、メンタル落ちるし、票も逃げるので曖昧にということなんでしょうか。

新しい資本主義を実現していく車の両輪は、成長戦略と分配戦略です。

 

まず、成長戦略の第一の柱は、科学技術立国の実現です。

 

学部や修士・博士課程の再編、拡充など科学技術分野の人材育成を促進します。世界最高水準の研究大学を形成するため、10兆円規模の大学ファンドを年度内に設置します。デジタル、グリーン、人工知能、量子、バイオ、宇宙など先端科学技術の研究開発に大胆な投資を行います。民間企業が行う未来への投資を全力で応援する税制を実現していきます。

総花的ですが、世界最高水準の研究大学というのが気になりますね。10兆円のファンドというのもです。大学院大学の再編でもするんでしょうか。

政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報が届く冷泉彰彦さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • ツッコミどころ満載の岸田首相「所信表明」28箇所で浮上した4つの問題
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け