ツッコミどころ満載の岸田首相「所信表明」28箇所で浮上した4つの問題

rizi20211012
 

10月6日公開の記事「岸田首相よ、正気か?『新しい資本主義』を謳う新政権の危険な経済オンチ」では、岸田政権が「取るしかない」4つの経済成長政策を提示した米国在住作家の冷泉彰彦さん。その2日後には首相が臨時国会で所信表明演説を行いましたが、そこで語られた内容は今後の日本経済を再生に導き得るものだったのでしょうか。今回冷泉さんは自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で、所信表明の「経済政策」全文を詳細に検証。そこから見えてきたのは、「4つの問題」に鈍すぎる岸田首相の姿でした。

【関連】岸田首相よ、正気か?「新しい資本主義」を謳う新政権の危険な経済オンチ

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所信表明演説から、岸田政権の経済政策を読み解く

岸田文雄政権が発足しました。「新しい資本主義」であるとか「脱・新自由主義」というような言葉が飛び交う中で、岸田政権はどこまで財政規律を緩めるのか、バラマキに際してリターンを気にするのか、そもそも全体的に辻褄が合っているのか、やはり心配になります。

今回は、10月8日に行われた所信表明演説の「3.経済政策」の全文をワン・センテンス毎に検証しながら、その経済政策の「現在地」を確認したいと思います。演説の原文は官邸のHPから借用しました。

首相官邸 総理の演説・記者会見など 
第二百五回国会における岸田内閣総理大臣所信表明演説

三 第二の政策 新しい資本主義の実現

 

次に、私の経済政策について申し上げます。

 

マクロ経済運営については、最大の目標であるデフレからの脱却を成し遂げます。

前政権までデフレ脱却ができなかったことを批判していますね。いきなり芸が細かい。

そして、大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の推進に努めます。

金融政策は「大胆」で、財政は「機動的」という形容詞がついていますが、成長戦略には形容詞がないというのが面白いですね。当たり前すぎて、でも難しすぎて形容のしようがないという感じでしょうか。

危機に対する必要な財政支出は躊躇(ちゅうちょ)なく行い、万全を期します。

これもコロナ対策費をケチった、前政権への批判。

経済あっての財政であり、順番を間違えてはなりません。

これは財務省の均衡財政原理主義者への宣戦布告でしょうか。

経済をしっかり立て直します。そして、財政健全化に向けて取り組みます。

前の文章を言い換えてますね。こういう優先順位というわけです。

その上で、私が目指すのは、新しい資本主義の実現です。

 

新自由主義的な政策については、富めるものと、富まざるものとの深刻な分断を生んだ、といった弊害が指摘されています。

出ました「新しい資本主義!」厳密な定義はないのですが、とにかく言葉として、こういう言い方がトレンドになるというのと、中道左派の票を取り込みたい、それ以上でも以下でもなさそうです。

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