女優・上野樹里(35)の夫で、ロックバンド「トライセラトップス」のボーカル&ギターをつとめる和田唱(45)が22日深夜、自身のTwitterを更新し、実母で料理愛好家・タレントの平野レミからのLINEと写メについて明かした。この投稿にファンやネットユーザーからは賞賛、感動の声が多くあがっている。
和田は、2年前の2019年に亡くなったイラストレーター・デザイナーの和田誠(享年83歳)と平野レミとの間に生まれた長男。和田は11月22日の「いい夫婦の日」にちなみ、以下のようなつぶやきを投稿した。
もうすぐ明日になるけど今日は11月22日=いい夫婦の日か。自分が思い付くいい夫婦は数あれど、今日もLINEで「お父さんすごいよ!」と、父の展覧会で出来た行列の写メを送って来る母。間違いなく展覧会に一番足を運んでいる観客だろう。いい夫婦の日ランキング、父は天国だけど、うちの両親を挙げたい。
— 和田 唱(トライセラトップス) (@sho_wada) November 22, 2021
和田が言う「父の展覧会」とは、いま東京・新宿区で12月19日まで開催中の父・和田誠の初の大回顧展「和田誠展」(於:東京オペラシティー アートギャラリー)のことである。そして、平野が行列の写メを送ってきたというくだりは、連日多くの入場者が詰めかけ、会場に入るのに行列ができていることを指している。
和田の父の集大成「和田誠展」が大盛況
かくいう私gyouzaも10月の後半の休日に同展へ足を運んだが、展示が始まってから二週間以上が経過していたにもかかわらず、入り口は2、30人を超える行列ができていた。まさに平野の言う通り、連日大盛況なのだ。とはいえ人の流れが早いため待たずに中へ入ることができた。SNS上でも、和田誠展の行列を伝える投稿や展示の充実ぶりを伝える投稿が相次いでいる。
東京オペラシティアートギャラリーの和田誠展へようやく観に来たら、こっちも行列で焦ったけど思いの外すぐ入れました。 pic.twitter.com/X4T7LB7AcU
— たく庵 (@takuniy) November 6, 2021
先日同じ新宿だからと映画の前に和田誠展@ オペラシティへ。1時間半あればと思ったけど甘かった。文春表紙シナリオポスター…圧巻の展示物に最後駆け足に。
若い頃から多才で縦横無尽に広がっていった仕事の宇宙が、歳を重ねて憧れや好きなものにグッと集約されていく感じが素敵でした。
再見せねば。 pic.twitter.com/NdqEm09XPF— コダカ シュウジ (@kdkshuji) November 22, 2021
そして、「漫画の神様」手塚治虫氏の長女、手塚るみ子氏が同展を訪れたことを報告するツイートも。
和田誠展にようやく行ってきました。とにかくあまりの膨大な仕事量とその作品数に驚愕&圧倒されてクラクラ。丁寧に観ていたら半日かかるなと。そして何気に目にしたことのあると感じる。気づかないながら日常の傍らに和田先生がいらした事に気づく内容でした。83年間の文化と娯楽と感性と創造を堪能。 pic.twitter.com/YS6U0LTHtb
— 手塚るみ子 (@musicrobita) November 17, 2021
和田は、母が父の展覧会が大盛況であることを大喜びする様子を見て、父は天国だが「いい夫婦の日ランキング」に自身の両親を挙げたい、と綴ったのだ。亡くなった今も「仲睦まじい夫婦」の姿を見た和田が、両親をあげた理由もうなずける。
実は身近な和田誠の「作品」
和田の父・和田誠は、たばこ「ハイライト」のデザイン(1960年、24歳の作)、そして雑誌『週刊文春』の表紙絵を40年間も担当していたことなどで知られている日本を代表するイラストレーター、デザイナーだ。今回の展覧会では、幼い頃に書いた絵から、絵本、本の装丁、映画ポスター、自身が監督した映画作品(『麻雀放浪記』『快盗ルビイ』)、アニメ作品まで、83年間の生涯で制作された多彩な作品を紹介。個人的には、意外にも若い世代の来場者が多かったことに驚いた。
東京オペラシティ アートギャラリーでの「和田誠展」の会期は残り1ヶ月となりました。
会期末は混雑が予想されますので、余裕を持ってお越しください。
みなさまのお越しをお待ちしております。 pic.twitter.com/7P20kpBoCE— 和田誠展 (@wadamakototen) November 20, 2021
ライトパブリシティに入社してすぐ、たばこの「ハイライト」のデザインが指名コンペで採用。発売は和田さんが24歳の時でした。
会場では、採用デザイン以外の試し刷りも展示しています。 pic.twitter.com/oRT24DXYBR— 和田誠展 (@wadamakototen) November 11, 2021
圧巻の名画座ポスター185点
今回の展覧会で圧巻だったのは、和田誠が22歳から30歳までノーギャラでデザインを手がけていたという、かつて現在の新宿・丸井の場所にあった日活名画座という映画館の185点にもおよぶポスターだ。
和田誠展
日活名画座のポスター群
ダイナミックな構図だったり、シルクスクリーンの限られた配色のセレクトに痺れました。展示は一部だったので「日活名画座ポスター集」を買いましたがとっても素敵です。
これ、無償でされたお仕事だそうです。和田誠さんの映画愛。 pic.twitter.com/xjVciK9jFA— MOCO (@Mokochang7) October 31, 2021
この美しい配色や描き文字、イラストに思わず息を呑む。この仕事を無償で月に2枚づつ8年間も続けていたというのだから、和田誠の「映画への愛」を感じずにはいられない。
和田誠さん、伝説の日活名画座ポスターを網羅した画集が発売。
後の天才デザイナーやイラストレーターたちが街角から剥がして秘匿していたと言われる逸品。ただし和田さんはノーギャラでやっていたそうな。#utamaru pic.twitter.com/6kXAnNeISE— スタ・エレ@リブート2 (@Bt1THS9XFohvr93) November 23, 2021
このポスター群は和田誠の死後に事務所内から発見されたといい、今回の展覧会に合わせて『和田誠 日活名画座ポスター集』として刊行されている。シルクスクリーンで刷られていたポスターの雰囲気を再現するため、表紙がシルクスクリーン印刷された美しい作品集だ。※以下の版元直販サイトでは送料無料で発売中。
明るいキャラクターでお茶の間を賑わせる平野レミ、そして私たちの日常に多くの素晴らしい作品を遺した和田誠。そんな両親の才能を受け継いだ和田唱の投稿には、ネット上に「心温まりました」「素敵ですね」と賞賛、感動の声が多くあがっている