失脚どころか死の危険。プーチンの生命はキエフ遠征部隊の勝敗が握る

 

しかも、ロシア製のイグラ型携帯型防空システム(MANPAD)がポーランドやルーマニアなどから多数、ウ軍に供与されて、ウクライナ軍将兵は使い慣れているので、それでロシア軍機を打ち落としているので、ロシア軍機の支援をキエフ遠征隊は受けられないようである。

しかし、最新鋭の兵器が苦戦なのに出てこない。何かが変である。最新鋭戦闘機はどこにあるのか、古い防空システムを潜り抜けるはずが、どうもロシア軍近代化の多額の費用は、将軍や政治家の汚職で、ほとんど実戦部隊の装備には回っていないようである。軍備は古い。1980年代以前の兵器が多い。

このため、キエフ遠征隊は2002年に期限切れの食糧を配布されただけで送り出されている。ロシア軍が弱いのは、将軍や政治家が汚職の限りを尽くしたからで、ウクライナは汚職に助けられたとも言える。

反対に、欧米諸国から多量の兵器がウクライナ軍に供与されて、それが戦場で使われている。いつか、戦況が逆転しそうな予感がする。ロシアは、いらだち、米国からの兵器輸送に対して攻撃すると宣言し、また、同盟国軍であるイラン軍に、クルド人自治区アルビルの米軍基地を攻撃させたり、戦線拡大も視野に米国との対決をも辞さないようである。

しかし、NATO加盟国もロシア軍に対する評価を一変した。通常戦では、ロシア軍には負けるはずがないとなった。ロシア、恐れるに足らずである。ソ連復興というプーチンの戦略全体が崩壊したようである。

それと、戦車を守る歩兵を十分に付けないために、戦車は対戦車ミサイル・ジャベリンの餌食にされている。ロシア軍の戦術面での欠陥も指摘されている。

そして、つい最近は、カラのトラックが放置されてるのをウクライナ軍が捕獲している。相当な物資が消耗されていることがわかる。

これは、どうも、キエフ遠征部隊が窮地にあるような気がする。

このため、早くキエフを攻撃して、キエフを陥落させる必要になり、攻撃を急いでいる。キエフ包囲のため、南に回り込みたいが、ウ軍の抵抗も強くて、なかなか進まないようであるが、キエフから15キロの地点まで来た。

この状況で勝っている東南部のロシア軍は、中部地域に進軍して、キエフ遠征隊を助ける必要があり、急いでいる。それと誘導ミサイルがなく、無誘導の爆弾になり、航空支援もない。軍近代化費用が汚職されて、十分なミサイル数もないことが判明した。汚職で普通の弾薬もなくなる可能性も出ている。軍事予算の多くが汚職で豪華なヨットに化けていたようだ。

このため、ロシア軍の装備も兵数が足りなくなり、シリア兵と装備を投入するが、言語が通じないので前線には投入できない。シリア兵だけで組織した軍団を作るしかない。または、戦線が伸び切っているので物資の輸送路の守備しかできない。ロシア兵と連携した戦闘はできないからだ。

しかし、まだ、ベラルーシ軍の参戦の可能性や相当な物量があるので、キエフを陥落させることもできる。すると、親露の傀儡政権を立てられるが、もしキエフ遠征隊の部隊全滅になると、負けたことになり、プーチンの生命が危うくなる。

その前には停戦する必要がある。キエフ陥落を目指すが、全滅はできない。この微妙な段階になっている。このため、ロシアとウクライナはオンライン形式による直接の停戦交渉を開始した。

キエフの攻防が勝敗を決め、停戦になるはず。その条件は、キエフの帰趨如何であろう。

しかし、ロシア軍がキエフを落として親露政権を立てても、ゼレンスキー大統領が、西部の都市リビウに逃げ、そこでゲリラ戦を長期に指揮すると、ロシアの国内経済が貧困化し、兵器弾薬も尽きていくことになり、長期戦での体力があるかどうかでしょうね。ということで、停戦がどこかで必要になる。

GDPが世界11位の国家は、どこまでゲリラ戦を戦えるのかは分からない。GDPトップの米国でさえ、ゲリラ戦では10年持たないからだ。

さあ、どうなりますか?

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image by: Drop of Light / Shutterstock.com

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