日韓関係は改善するか。韓国新大統領・尹錫悦氏の気になる親日度

kp20220314
 

激戦を制し、韓国次期大統領の座を手にした尹錫悦(ユン・ソンヨル)氏。当選翌日にはバイデン大統領と、2日後には岸田文雄首相と電話会談を行うなど、早くも積極的な外交姿勢を見せています。文在寅大統領との間ですっかり冷え切ってしまった日韓関係、そして米中韓関係はどのように変化するのでしょうか。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、見えてきつつある尹次期大統領の、対日米中関係再構築における「基本骨子」を詳細に解説しています。

首脳間シャトル外交の復元

尹錫悦(ユン・ソンヨル)次期大統領の外交の基本骨子がだんだん見えてきている。同氏は10日、当選後初の記者会見で「堂々とした外交と堅固な安保に基づき、自由・平和・繁栄に寄与するグローバル中核国家に生まれ変わる」と述べた。ここで基本にあるキーワードは「予測可能性」だ。文在寅政府の北朝鮮「オールイン」外交を批判してきた尹次期大統領は原則を立て直し、予測可能な外交を通じて山積した難題を解決するという立場だ。文政権のときは、金正恩のことばっかり考えていたため、言って見れば他のことはどうでもいいというようなスタンスだったから、突然、慰安婦合意を破棄したり西海上で韓国公務員が北によって射殺されたときにもほとんど無視するような態度で終始するなど、常識的に考えたら予測不能の行動が常に現れたものだった。尹錫悦次期大統領としては、こういった部分を立て直していこうという立場なのだ。

まず韓米関係からみてみよう。尹氏の韓米同盟公約は二つの軸だ。崩れた韓米同盟を「再建」し、軍事安保を超えて経済・新技術まで含めた「包括的戦略同盟」へと強化する考え。安保をはじめとする同盟の核心価値を「質的」に改善し接点を多角化して「量的」拡張まで狙うという構想だ。北朝鮮を中心に同盟を管理するのではなく、このような原則の下で予測可能性を高め相手の信頼を回復するのが基本構想。こうすることで韓米間の対北接近もシンクロ率が高まるはずだ。尹次期大統領は10日の記者会見で「北朝鮮の不法・不合理な行動には原則によって断固として対処するが、南北対話の扉はいつでも開けておく」と述べたが、これはバイデン政権の対北原則論とほぼ一致する。バイデン米大統領は10日、尹次期大統領との電話会談で「北朝鮮の弾道ミサイル挑発は韓国だけでなく米国にとっても脅威であるだけに、韓日米3か国の緊密な調整が重要だ」と述べたと「国民の力」が伝えている。

ユン・ソンヨル政府は米国が主導するグローバル供給網再編や民主主義・人権など普遍的価値守護戦線でも積極的に歩調を合わせるものと予想される。尹次期大統領は先月8日(現地時間)、米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」への寄稿で「韓米は特定軍事的脅威にだけ対処した過去の形態を越え、包括的経済・安保同盟を通じて今日提起されている多様な脅威に立ち向かわなければならない」と強調した。まず昨年5月の韓米首脳会談で合意された新技術、供給網、サイバー分野などの協力をアップグレードするのに速度を増す見通しだ。クワッド(米国・日本・オーストラリア・インド間安全保障協議体)についても「クワッド傘下のワクチン、気候変動、新技術ワーキンググループに本格参加し、機能的協力をしながら今後正式加入を模索する」と門を開いた。

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