結果は度外視。安倍氏国葬の理由が「日本経済の再生に尽力」の噴飯

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多くの国民がその実施を疑問視する、安倍元首相の国葬。9月8日には国葬実施を決めた岸田首相自身が閉会中審査で説明を行いましたが、国民の間からは「納得がいかない」という声も多数上がっています。今回のメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』では著者で現役医師の和田秀樹さんが、メディアで語られる「安倍氏の国葬が適切とする理由」に違和感を抱く原因を考察。さらに首相の説明が炙り出した「自民党の本質」を記しています。

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結果とプロセス。安倍元首相の経済政策は悲惨としか言えない

エリザベス女王が亡くなった。

すでに日本の天皇陛下が参列の意向を示すなど、おそらく世界中の元首クラスが参列するだろう。

女王には申し訳ないが、国葬とはこんなものという見本が示されることになるのだろう。お天道様が見ているというか、ショボイ参列者しかいない国葬が断行されるのは、日本の恥だということを、教えてくれるタイミングでの女王の死だった。

女王の死の直前に岸田首相が国会で国葬の理由を語った。

「諸外国における議会の追悼決議や服喪の決定や、公共施設のライトアップを始め、各国で国全体を巻き込んでの敬意・弔意が示されていること」という理由が挙げられているが、だったらなんでエリザベス女王とアベ氏の国葬で、こんなに参列者に差がつくのかをぜひ説明してほしい。

さて、この国会説明について、モーニングショーを見ていたら、日本の経済を再生させたなどということが理由の一つに挙げられていた。

これまで何回も書いてきたように、結果を見る限り安倍元首相の経済政策は悲惨としか言えないものだ。

最後の方はコロナがあったものの、震災などもほとんどないのに経済成長率はゼロに近いし、一人あたりのGDPは落ち続けて韓国にも抜かれる体たらくだ。私は、それが旧統一教会の思惑だと疑っているが、いずれにせよ、結果的に日本経済をボロボロにしたのは確かだ。

私が国会議員だったら、「あなたはこの数字で満足しているから、国葬にするわけですね」とつっこんでやりたいところだったが、いろいろと調べてみるとそうは言っていないようだ。

「東日本大震災からの復興や日本経済の再生に尽力した」ことが理由だそうだ。

いかにも日本的だが、結果がどうあれ、努力した人が偉いという発想だ。

日本が韓国に抜かれたのは結果であって、一生懸命努力していたし、旧統一教会が介入したわけではないかもしれない。ただ、結果としてそうなったことは、やはり問題視されないといけないだろう。

ここが企業と政治家の違いだろう。

企業なら結果が悪ければ責任を取らされるが、政治家は結果が問われない。

だから、今のようなコロナ政策を続けていられると言える。

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