参戦しなければ暗殺だ。プーチンがある国の大統領にかける“脅し”

 

ドネツク・バフムト方面

ロ軍は、この地域を最重要攻撃地点としている。精鋭部隊の多くをこの地域に集めている。焼夷弾などの非人道兵器も使い、ウ軍を攻撃している。そして、ロ軍の航空勢力も出て、ウ軍を空爆している。ロ軍の多くの戦闘資源をここに集めている。

このため、バフムト周辺のアンドリウカとオドラディウカをロ軍は占領したし、クディミフカ、イワノハラッド、コデマのウ軍も危ない状況である。激戦になっている。数の力で押してきている。

しかし、なぜ、バフムトに拘るのか、分からないが、HIMARSがバフムトに入ると、ルハンスク市を砲撃できることで、最重要補給拠点であるルハンスク市を守れないからだと、ロ軍事ブロガーは言う。

しかし、バフムト周辺のロ軍は攻撃限界点になり、攻撃力が弱まってきていると米戦争研究所ISWは言う。この地域はワグナー部隊が中心であり、プリゴジン氏が個人の見得のために、2万3,000もの兵士を集めて、多くが囚人兵であり、後ろに督戦隊を置き、囚人兵を突撃させて、攻撃せずに戻ろうとすると、銃撃を浴びせるようだ。動員兵に対しても、同じようなことをしているともいう。

もう1つ、ロ軍は、ポパスナへのウ軍攻撃を想定して、ポパスナに通じる道に要塞を構築しているようである。ロ軍は、ウ軍の攻勢候補と見ているようである。これが3つ目のポイントになる。

ポパスナは高台であり、この軍事的価値は高いからである。

スバトボ・クレミンナ攻防戦

ウ軍は、クピャンスクからP07を南下してスバトボに向け進軍している。とうとう道が凍結して、機甲化部隊が動けるようになっているが、機甲化部隊の量が多くない。南部ヘルソン州で活躍していたウ軍機甲化部隊の1個旅団しか、この地域に来ていないという。

その旅団以外のウ軍十数機甲旅団がどこにいるのか不明である。それと、ポーランドから供与されたP-91戦車の230両も不明になっている。ウ軍は温存している。

ここのウ軍を増強して、セベロドネツクまで攻勢に出ることも考えられる。ここが攻勢候補の4つ目のポイントである。

このスバトボ・クレミンナもロ軍は動員兵が多く、ロ軍精鋭部隊の投入は少ないようである。ウ軍は、クレミンナ北西10kmのチェルボノポピフカに到達して、クレミンナへの攻撃も継続している。クレミンナ陥落は時間の問題であるようだ。

そして、スバトボ北西約18kmのノヴォセリフスケとステルマヒフカはウ軍が奪還したが、そこへロ軍が地上攻撃してきたが撃退したという。スバトボの奪還も時間の問題のようだ。

というように、4つの攻勢候補があり、そのどこにウ軍は重点を掛けるか、現時点では分からない。

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