なぜ、年金の受給開始年齢を65歳に引き上げることは「無意味」になったのか?

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2.平成16年の年金改正で年金の財政の在り方が180度変化した

さて一方、平成になって経済は停滞してる中で、一体どこまで保険料を負担する必要があるんだ…という国民の不安が広がる中、平成16年の改正が行われました。

その内容とは、現役世代の負担する保険料の上限を決め、その収入の中で年金を支払うという事に決めたのであります。

従来は受給者の給付水準がある程度決まっていたものが(もちろん納めた保険料により人それぞれ違いますが)一転して、入ってくる保険料収入が決まってしまったのです。

つまり、従来は決めた年金水準を維持するためにそのつど保険料を変更させるやり方から、入ってくる保険料収入を決めてその中で給付をやりくりする形へと180度転換されたのです。

平成16年改正時に将来入ってくる保険料収入がある程度決まったという事は、その総額を今の受給者と将来の受給者でどのように分け合うのかという考えに変わります。

例えば1,000万円を親と、将来大きくなった子供でそれぞれ500万円ずつ利用したいとします。

それであればどちらも同じ公平なお金を使う事が出来ます。

しかし、現在の親がもうちょっと使いたいから700万円使ってしまうと、将来の子供は300万円でやりくりをするしかありません。

じゃあ将来の子供の取り分を残すにはどうしたらいいかというと、親が今使うのを我慢するという事が大切になってきます。

で、今の年金とその話が何の関連があるのかというと、よく今の年金は上がりにくいとか、実質価値は目減りという言い方がされる事がよくあります。

年金は物価や賃金にスライドしますが、これらの伸びを実際の伸びよりも抑えるという事をします。

例えば1%賃金が上がれば年金も1%上がりますが、年金は0.7%しか上がらないというような形ですね。

本当はもっと貰いたいのに給付を抑えるという措置が取られています。

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