なぜ、年金の受給開始年齢を65歳に引き上げることは「無意味」になったのか?

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なぜ今の年金額がそう簡単に上がらないように抑えられてしまうのか。

それはさっき言ったような、1,000万円の話と同じ事であります。

現在の受給者の人の年金を抑える事で、将来の年金受給者(つまり今の若い人が年金受給者となった時)の給付水準が上がるのであります。

でも逆に抑えずに、今が大切だからって事で余分に使ってしまうと将来の人の年金水準が低下する事になるという事になります。

際限のない保険料の増加をさせないために、平成16年改正の時に保険料収入を固定した以上はもう将来入ってくる財源は大体決まってしまったのでこのような仕組みになっています。

ちなみに従来は現役時代の約60%台以上を給付する事を目指していましたが、今の固定された保険料水準だと50%ちょいを目標とするものになりました。そのために決められたのが厚生年金保険料率18.3%です。

経済界は本当はもっと引き下げろって言いました。15%くらいにしたかったようです。

経済界というのは社会保険料の負担が嫌いなので、いかに自分たちの負担を下げるかという方向を常に考えます。そして収益を第一にします。

それが資本主義なのですが、そのために労働者の社会保障が削られて、将来の高齢者は貧困の危機に陥る危険があります。

経済界は今後も年金に対し批判的な立場を取り続けるでしょう。

彼ら経済界の保険料抑制の欲望を牽制するために、当時の坂口厚生労働大臣が給付水準50%以上という案を出し、そのために18.3%というラインを引いた事で経済界を牽制したと言われています。

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